アールダーの方舟 / 周木 律
2015 / 04 / 10 ( Fri )
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●内容情報●(「BOOK」データベースより)

「痛みの山」と呼ばれるアララト山で、ノアの方舟調査隊に降りかかる不可解な連続死ー。宗教学・科学・建築学の叡智を駆使し、壮大なスケールで人類の謎に挑む歴史ミステリ!!完璧なる記憶力と瞬時の計算力を持ち、語学堪能にして端正なマスク。「神は妄想でしかない」と断言し、「人間とは何なのか」をストイックに追究する男が、アララト山頂で到達した人類の真実とはー。



●著者情報●(「BOOK」データベースより)

周木律(シュウキリツ)
某国立大学建築学科卒業。2013年、『眼球堂の殺人~The Book~』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



●基本情報●

発売日: 2014年12月18日頃
著者/編集: 周木律
出版社: 新潮社
サイズ: 単行本
ページ数: 380p




●感想●

一気読みでした。
一度記憶したことを決して忘れることができないという、神のような男・一石豊の魅力に引きつけられ読み進みました。
宗教について深いポリシーが無く、、寛容で干渉もない一般的日本人として描かれている森園アリスに自分を重ねながら。
アリスが一石に受けるレクチャーを同時に自分も受けながら。

正直、歴史・宗教学・建築学・・・、どれも知識があるとは言えない私なので、単純に知らないことを知るのが楽しかったです。
ある意味盲目に陥りそうな状態ですが、そういう時ほど知ることが面白く感じるものですね。
無神論者の一石が無神論者である理由に共感できるからなおさら、彼の言葉に魅力を感じるのかな、と思いました。

ミステリーとしても展開が読めない面白さがあったと思います。
内心怪しいと思っていた人物がドンピシャだったのですが、その背景までは読めませんでしたし。
難解な部分も多かったのですが、とにかく一石の言葉でうまく説明してくれていたのだと思います。




●宗教界は極めて狡猾だ。もし君が少しでも心の隙間を見せようものなら、その瞬間に『神の存在証明』を次々を押し込んでくるだろう

●往々にして、争いの多くは異なるものへの反発よりも、同じもの、似たものへの嫌悪からうまれるものだ

●日本人にとって、おそらく神とは利益と同値の概念でしかない。━━つまりあくまでも彼は、私たちに一方的に利益をくれる「ありがたい」存在でしかないのだ、そう、だから私たいは無節操に神に接してしまうのだ。

●ユダヤ人にとって学ぶことは生きることそのものである。→「キリスト教もイスラム教も、憎しみからは学ばなかった。だからそれはしばしば連鎖して、終いには暴走した。私はそれが正しいことだとは思えない。人間は常に思考する必要がある。決して怖じることなくよく考えて、肯否をきちんと判断しなければならないのだと思う」

●思い出とは単なる事象の記録にしか過ぎない。異なるのはそこに善悪判断を下す人間だ。その当の人間が刻一刻と変わっているだけで、規則自体は、それ以上にもそれ以下にもなりはしないんだ。

●「偶然」とは世の中の出来事すべて説明できてしまう魔法の言葉であって、それこそ神の存在を実証する「奇跡」と同類ものもとなる。

●「紗来、僕は無神論者だ。どうしてかわかるか?」
 「それは、神とはいつも『都合のよい存在』にしかならないものだからだ」
 「それは極めて不合理で、非科学的で、つまり無根拠な存在であるにもかかわらず、すべての正当性の根拠に引用される。紗来。僕は、根拠と呼ばれるものには常に、汗や、涙や、果てしない努力や、流される血や、時には身体の一部や命が代償として必要なものだと考えている。つまり、広義の『痛み』が伴うものだ、そう信じている。にもかかわらず神は、その痛みが無いまま、人々に根拠を与える存在となる、これが人類に対してどれだけ不誠実な結果を与えているか、想像ができるか?だから僕は神を信じない、信じることなど、もう微塵もできはしない」





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