ひかりをすくう / 橋本 紡 (ふりかえり読書録)
2015 / 07 / 30 ( Thu )
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●内容情報●(「BOOK」データベースより)

私にとって、ありふれた日常が最良の薬になった。注目の著者が、ひとの可能性を描く切実な物語。
智子は、仕事を辞めることにした。評価の高いグラフィックデザイナーだったが超多忙の生活を送るうちに、パニック障害になってしまったのだ。一緒に暮らす哲ちゃんも賛成してくれた。職場で知り合った哲ちゃんはひと足先に仕事を辞め、主夫として家事をこなしている。哲ちゃんは智子が最初にパニック障害で倒れたときも病院に付き添ってくれた、料理の上手なパートナーだ。
ふたりで都心から離れ、家賃の安いところで、しばらく定職を持たずに生活することにした。
ひょんなことから不登校の女子中学生、小澤さんの家庭教師を始めることになった。そして、小澤さんがひろってきた捨て猫のマメ。3人と1匹の生活はつつましくも穏やかに続く。やがて薬を手放せなかった日々がだんだんと遠いものとなっていった。そんなある日、哲ちゃんの元妻から電話があって……。

●著者情●(「BOOK」データベースより)

橋本紡(ハシモトツムグ)
三重県伊勢市生まれ。第四回電撃小説大賞で金賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

●基本情報●

発売日: 2006年07月
著者/編集: 橋本紡
出版社: 光文社
ページ数: 246p



●感想●

現実にありそうなお話でした。
ものすごい大事件が起こるわけではないけれども、充分に(?)ある苦しみ・・・。
根底にその苦しみが居座っている中での静かな苦闘。
生きていれば誰もが、何かしら抱えているものだよなー、と改めて思いました。

頑張ってしまう性分の人はしんどくても表に出すのが苦手だから、苦労など無いと周囲に思われがち。
弱音を吐くのが苦手で限界を超えてもなお頑張ってしまっているのに、その真の姿はなかなか理解されません。
そんな中、自分を抑圧して自分を責めているから、臨界点を過ぎると途端にどす黒いものが噴出したりするのですね。
それでもなお、“いい人”の仮面をかぶろうとし、そのポジションに固執したりして
まるで自分のために生き生きとしてはいけないという重荷を自ら課しているようで、罰ゲームのような人生ですね~。
実は私自身もそういう傾向が強いタイプなので、手に取るように理解できる感覚でした。

でも、人生には“ひかりをすくう”ような、すばらしい瞬間がある・・・。
辛くて苦しくて惨めで情けなくて、最悪で最低な状態が続いている中にも、見ようと思えば光は見える・・・。
作者はそのひとつのことを伝えたかったのかな、と思えるようなお話でした



●世の中は決してきれいなことばかりではない。そして不思議なことに、きれいではないことが、見方を変えればものすごくきれいだったりする。そのどちらが正しいのか、いったい誰にわかるだろう。

●人という生き物は、夜空に散らばる星の並びにさえも、さまざまな形を見るのだ。勝手に壮大な神話やら物語やらを生み出す。もしなにかを見つけたのなら、本来の意図や意味など気にせず、その見つけたものを大切にすればいいのだ。

●無限の可能性を持っているのは、子供だけではないのだ。だいぶ限られてしまったけど、わたしたちにだって、まだまだたくさんの可能性がある。もちろん、いいことばかりだとは限らない。泣きたくなることもあるだろう。自らの歩みを呪うこともあるだろう。それでも、わたしたちは生きていくしかない。わたしはそして知っている。人生には、時にとてもすばらしい瞬間もあるのだと。



✿この記録は2014年3月にメモしておいたものです✿






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