スウィート・ヒアアフター / よしもと ばなな
2016 / 10 / 28 ( Fri )
スウィートヒアアフター







●内容● (「BOOK」データベースより)

大きな自動車事故に遭い、腹に棒が刺さりながらも死の淵から生還した小夜子ー恋人を事故で喪い、体には力が入らず、魂も抜けてしまった。私が代わりに死ねたらよかったのに、という生き残りの重みを抱えながら暮らしている…。惨劇にあっても消えない“命の輝き”と“日常の力”を描き、私たちの不安で苦しい心を静かに満たす、再生の物語。


●著者情報● (「BOOK」データベースより)

よしもとばなな(ヨシモトバナナ)
1964年東京都生まれ。「キッチン」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。「TUGUMI」で山本周五郎賞、「アムリタ」で紫式部文学賞、「不倫と南米」でドゥマゴ文学賞を受賞。著書は世界各国で訳され、イタリアでスカンノ賞、カプリ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2013年08月
著者/編集: よしもとばなな
出版社: 幻冬舎
サイズ: 文庫
ページ数: 165p





●感想●


文字数は少ないけれども・・・
夢中でストーリーを追うタイプのお話ではなかったので、スピーディーに読むという感じではありませんでした。

死の淵から生還した主人公の小夜は、「死はいつでもそこにある」という感覚に浸ったまま日々を過ごしています。
生と死や、現実や夢や、いろいろな境界線があいまいになった状態の中、彼女の思考はあくまでも純粋。
死にかけたことによってリセットされたら、いきなりシンプル&クリーンになっていた、みたいな。
なんでもないことに優しさや感謝を見い出し、正直に、あるがままに生きる姿は、気負いが無く清々しく・・・
これが悟りの境地か、という感じでした。
死ぬということが感覚で理解できた人に訪れる受容の心なのかもしれません。

「生きてるってそれだけですごすぎて、涙が出ることばっかりなんだよね。」
それに気付けば、限りなく喜びはあふれてくるのでしょうね






●生きているかぎり、朝が来るなんて、なんて夢みたいなシステムなんだろう。人間がどんなにすごいことを考えたって、これにはかなわない。強引に明るくしちゃう以外に、ものごとをみんなリセットしたりチャラにする方法はない。これに乗っていれば命ある限り必ず生き延びられる。太陽ってなんてすごいんだろう。感動してしまう。


●なににつながっているのかわからい、なににもつながってない可能性も大だった。
 それでも、彼の頭の中のハッピーが今この瞬間の私をハッピーにした。
 わたしは、妊娠していなくてしょげていたあの時でさえ、赤ちゃんがいる新婚さんを見ても一度もねたましいとは思わなかった。
 どうしてかって? それは私ではないし、私の赤ちゃんではないからだ。
 そういのをねたましいと思うのは、親からもらったねたみぐせがある人だと思う。
 自分がどんな境遇にいても幸せは赤ん坊はただただ無条件にまわりに力をくれるものだ。親が私をねたみ癖のある人間に洗脳しなかったことを、弱っている期間は特にありがたく思った。
 人の心の中のいい景色は、なぜか他の人に大きな力を与えるのだ。


●だれかの心が自由だということは、他の人をも自由にするんだ、でもそれにはとてつもない無頓着さと強さが必要なのだ、彼を知ってそう思った。


●なんと豊かなことだろう。なんでもある。生きていても死んでいてもなんだっていっしょなんだ、ほんとうはみんながみんな、なんでも持っているんだ。死んでみないと気づけないことなのかもしれない、きっと。



━━余談ですが・・・ねたみぐせを親からもらっちゃった人は不幸ですね~ マンガの意地悪キャラみたいなね━━







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ひとかげ / よしもとばなな
2010 / 07 / 30 ( Fri )
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これも読書リハビリのために軽く選んだ一冊です

よしもとばななさんの本は数冊しか読んでいませんが・・・。

私が読んだものは全て、底に悲しみの漂っているような本でした。

そしてこれもまさにそんな本でした。


 今夜、どれだけの悲しい人がこの世にいるんだろう? 身内を亡くし
た人、病気の人、心の地獄をさまよっている人。殺される人。現実に、
たった今。
 世界は広すぎて、想像できない。少しでも、止めてくれるといいの
に。少しでも減るといいのに。私たちみたいな、生きていくだけでつら
くて苦しい子たちが少しでも。


この文章は作者の気持ちなのだろうと思ってしまいます。

ひどいことが溢れている現実に、為す術がなくても祈らずにはいられない気持ち。

そういえば、リメイクされた「トカゲ」ですが・・・。

こちらの方が、私にはよりひどいストーリーに思えました。

でもだからこそ、“時間による癒し”が強調されるというか

どちらにしても・・・。

この世の悲しみが少しでも減るように、と同じように祈るしかない自分がいました。



ひとかげひとかげ
(2006/09)
よしもと ばなな

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イルカ / よしもと ばなな
2010 / 04 / 04 ( Sun )



これを読んだ時は、人の嫌な部分を見てしまった時だったので・・・。

うそ臭いほどの主人公の真っ当な感覚に救われました

自分にも人にも無理を強いないタイプというのでしょうか。

押し付けが強くない感じに、自分も肯定されたような気持ちになりました。

所詮人は人、思い通りになるのは自分だけ。

ここだけ抑えておけば、飄々と生きていけますよね。

あとは生死について、ハッとさせられるような文章が所々にありました。

それによって、生物にとって避けることのできない現実を意識させられましたね。

ていねいに“自分”を生きたいな、と改めて思いました


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イルカ (文春文庫)イルカ (文春文庫)
(2008/11/07)
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彼女について / よしもと ばなな
2009 / 12 / 10 ( Thu )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

由美子は久しぶりに会ったいとこの昇一と旅に出る。魔女だった母からかけられた呪いを解くために。両親の過去にまつわる忌まわしい記憶と、自分の存在を揺るがす真実と向き合うために。著者が自らの死生観を注ぎ込み、たとえ救いがなくてもきれいな感情を失わずに生きる一人の女の子を描く。暗い世界に小さな光をともす物語。


●著者● (「BOOK」データベースより)

よしもとばなな(ヨシモトバナナ)
1964年、東京生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。87年、「キッチン」で海燕新人文学賞、88年、単行本『キッチン』で泉鏡花文学賞、89年、『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。アメリカ、ヨーロッパなど海外での評価も高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2008年11月
著者/編集: よしもとばなな
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 221p






●感想●

「 神様、今夜寝るとことをありがとうございます。
  今日一日の命をありがとうございます。」

・・・こんな風に、すごく真っ当な感覚で感謝の気持ちを持てる主人公。

しかし、冒頭からこのお話には不可思議感がつきまといます。

どこに着地するかわからない不安定さ、
登場人物についての情報が小出しに明らかになっていくミステリーっぽさ・・・。

魔女などという、突拍子もない要素が出てきたり、
淡い淡い恋愛もどきのかわいさがあったりで、そのごちゃ混ぜ状態にちょっぴり混乱・・・。

ただ主人公のセンス、がとてもかわいいので、
なんとなくほのぼのと読み進んでいくのですが・・・。

途中から「何か違う、これは悲しい物語だ」と気付かされていくのです。

涙・・・

そんな中、胸に突き刺さるような、本質を突いた文章にハッとしました。

例えば・・・

人は、親にしてもらったことしか人に返してあげられないとしたら、私は?私は大丈夫なんだろうか?

(生きる土台とは)この世は生きるに値すると思う力よ。抱きしめられたこと、かわいがられたこと。それからいろいろな天気の日のいろいろな良い思い出を持っていること。おいしいものを食べさせてもらったこと、思いついたことを話して喜ばれたこと、疑うことなくだれかの子供でいたこと、あたたかいふとんにくるまって寝たこと、自分はいてもいいんだと心底思いながらこの世に存在したこと。少しでもそれを持っていれば、新しい出来事に出会うたびにそれらが喚起されてよいものも上書きされて塗り重ねられるから、困難があっても人は生きていけるのだと思う。

・・・というような文章。

その通りで、生きる土台はたいてい、親が子供にプレゼントするものなのですね。

それは生きているだけでいいという安心感・・・。


そして私にとどめを刺したのがこの文章

子供を持つって、自分はもう素直に席をゆずってもいいな、というこんな気持ちなのかもしれないな。
そしてママは、私がいたのに、こういう気持ちをだれに対しても一生持つことができなかったとてもかわいそうな人なんだ。


うーん、私もそのかわいそうな人に時々なっているかも

温かいママになりたい、と心から思いました







彼女について彼女について
(2008/11/13)
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みずうみ / よしもと ばなな
2009 / 09 / 11 ( Fri )

この世界で、ただ生きるということが・・・。
しんどいと感じている人はけっこういるんじゃないのかな。
もともとそういう風に生まれた人もいるし、何かしらの原因でそうなってしまった人もいると思うけれど。

生きにくい人は、やはり人を好きになりにくい人なんだと思います。
でも、そういう人でも究極に求めるものは人の優しさなのですよね、たぶん。
だれでも、心の底では暖かいものを求めているのだと思います。

過去が邪魔をしたり、人間関係が邪魔をしたり、いろいろなことが障害となって、人を好きになるのが困難になった人にこそ・・・。
暖かいものが降り注ぐといいな、と思いました。
過去は苦しくても、今は苦しくても。
全ての人に愛が降り注げばいいな、と。

なんだか紅茶が飲みたくなってしまいました
すぐ影響を受ける単純な私困り顔

そうそう、文中のこんな言葉がなぜか印象に残りました。
「いつも怒ったりどなったりしてるっていうのは、結局人を頼りにしてるっていうことなのよ」
うん、そうかも・・・。
気をつけなくちゃ

みずうみみずうみ
(2005/12)
よしもと ばなな

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