瓦礫の矜持
2014 / 01 / 26 ( Sun )
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正義とは・・・
道徳とは・・・
人間の本質について考えさせられるお話でした。
様々な登場人物がいたるところで、正義や組織の腐敗について持論を語っているのが印象的でした。

100%正しい人はいない。
本人にその自負があったとしても、万人から見て100%正しい人はいません。
しかし自分はよりよく生きたいし、同じように考えている人が好きです。
逆に美学が無い人、感謝が無い人は嫌いです。
でも・・・
その“嫌い”という感情ひとつとって見ても、マイナスの感情を持つこと自体減点対象ですね。
よりよく生きたいという、本来なら正しいはずの意識が“正しくない”感情を持つ理由の源になる・・・
皮肉な連鎖です。

今回私が注目したのは・・・
序盤は腐敗しきった人物として描かれていた黒羽隊長。
実は複雑な感情を抱えながら、矛盾を受け入れている人物です。
正しいことをするために“正しくない”自分や他人を受け入れているのです。
苦悩を抱えながら外側を取り繕っている様には、心打たれるものがあります。
人間、いろいろなタイプの人がいますが、こういう複雑な人にはどうしても心を持っていかれます。
例えば・・・
敵対関係にあったとしても、思わず称えたくなるような相手はホンモノだと思います。
さらに進んで、称え合えることができたら、きっと幸せなことでしょう。
そういう人に出会いたいという願望を思い出させてくれる人物でした。

今回のお話で面白かったことは・・・
登場人物が皆、完全にいい人間でも悪い人間でもなかったこと。
リアルでした。




権力に近い組織ほど、腐敗も深くなる。結局、人間という動物はみな弱いのだ。正義を貫くには鋼鉄の意思が必要だが、その意思がない人間ほど安泰を求めて権力に近い職務を選びたがる。


正義なんて大きな問題じゃないよ。結果も二の次だ。プレイヤーがどれだけの満足を得られるか、それが一番大切なんだ。ゲームの本質はそこにあるんだし、そもそもそれこそがこの社会の仕組みそのものだって気がする。


ごく普通の人間ってのは、いいところと同じくらい、悪いところがある。そうだろう?





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13 : 58 : 19 | ★★★五條瑛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
消滅のリスト / 五條 瑛
2014 / 01 / 14 ( Tue )
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ページ数の多い本でしたが・・・

面白いものだから、どんどん読みたくなりました!



世界の破滅・第三次世界大戦を防ぐための秘密の会議・・・

選ばれた者が世界の動向を決めるシステム。

それに対し様々な勢力がそれぞれの思惑で暗躍する。

・・・と、展開が読めないストーリーで退屈無しでした!

“会議”自体が何なのか明かされないまま登場人物が絡み合うのがスリリングでしたね。

それに、このご時世だからか、設定がとてもリアルに感じました。

戦勝国の驕りや、敗戦国に対する理不尽な要求や、国対国のバランス、策略・・・。

まるで今現在、実際に起こっていることのように感じました。



五條瑛さんの本を読むと・・・

たいてい感じるのが日本人のお気楽加減。

一般の日本人は平和ボケで、今そこにある危機に気づいていない状況だと思います。

悲しいことですが、人類の歴史は争いの歴史でもあります。

臭いものに蓋をする感覚で、不都合に目を閉じるのは簡単ですが危険ですね。

植物でも、生物でも、日本の種はか弱いです。

外来種が入って来た途端に絶滅の危機にさらされたりします。

人も・・・

争いが無い世界が理想ですが、したたかで狡猾な厄介な相手はいるものです。

いざ争いになった時になるべく痛手を負わない知恵や用意、その他の力が日本人にあるのかどうか・・・




「世の中というのは奇妙にねじ曲がっているものだよ。正義も極端に走れば悪になり、悪も貫けば正義になることがある。人間は自由と平等を叫びながらも、そんな社会はあり得ないと知っている。多くの幸福を支えるためには、不幸と不平等が存在しなければならない。それは間違いのない事実だが、はっきりとそれを認めることはできない」


「日本は実に魅力あるいい国だ。特にスパイにとってはね。ここにいるだけで、西側の情報がどんどん手に入る。我々がいくら米国内や欧州の基地を厳しく管理しても無駄なんだ。米国では盗めない情報も極東に来れば簡単に盗むことができる。それは冷戦時代からずっと変わっていない。盗まれた情報の行き先はかつてはソ連だったが、今は中国だ。どこに行くにしろ、我々の血と汗の結晶が、この国で簡単に盗み出されていることに変わりはない。困ったことに、日本政府はスパイに対して何ら効果的な手を打てないときている。政治家は政権取りゲームに夢中で、国民のほとんどは武力を放棄さえすれば国は平和だという短絡的な意見を信じている。攻めることをしなければ、誰からも攻められることがないと…実にバカバカしい。おかげでスパイたちは完全に野放しだ」


「善悪は別にして、別に間違っちゃいないと思うぜ。大勢が不幸になるような正義なんて、ない方がマシだ。悪魔と取り引きした方がいい結果が得られるなら、それでいいじゃないか」





終盤、愛から行動を選択する人間と、
憎しみから行動を選択する人間の決意で物語が締めくくられますが・・・

相反する感情から選択した結果の行動が広い意味で同じというのが皮肉でした。

生きるということはきれいごとだけでは済まされないのですね。




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01 : 11 : 35 | ★★★五條瑛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
塔の下 / 五條 瑛
2014 / 01 / 13 ( Mon )
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去年はあまり本を読むことができなかったので、今年はたくさん読めたらいいな~


そして今年初の読書は・・・冬休みに図書館で借りておいた五條瑛さんの「塔の下」。

この“塔”というのはスカイツリーのこと。

地理的になじみがある地域が舞台でした。

内容はヤクザ関連で、そちらは全くなじみがありませんでしたが。

でもそのヤクザも、一昔前とは在り方が変化してきているのですね~。

中国マフィアなど日本式を無視した強力勢力、不景気による“売り上げ”の激減、

一見スマートな経済インテリヤクザの増加・・・。

一般的に言えることですが、ワルがワルと分かりにくい世の中になったものです。

そしていろいろなグループに属する人間の境界が曖昧になってきています。

世に必要悪というものが存在するのが前提ならば、
それは必ずしもいいことではない気がしますねー。

悪人、一般人、外国人・・・

なるべくわかりやすい方がトラブルを避けるためには良いと思うのですが。

そうすれば、たいていの人は自分基準の危うきには近寄らず、平穏に暮らせると思います。





「きれいごとなんか言う気はない。
どんなに法律を整備したところで、この世界から、ヤクザと売春婦を無くそうなんて、
どだい無理な話だからな」

「世界最古の職業だからか?」

「その通り。そして、世界の最後の日まで残っている職業なんだよ。そう思わないか?」



━━繁栄の裏には必ず弊害があるように、真新しい技術の終結のすぐ真下には、
世界最古の職業が法の目をかいくぐってうごめいている。━━


どんなに世の中が変わろうが、技術が進歩しようが、
人間という存在はそんなに変わらないということでしょうね。




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屍界〈Narcotic World〉 R/EVOLUTION 9th Mission / 五條 瑛
2011 / 11 / 01 ( Tue )

私にとって五條瑛さんの本は“間違いない”もの。

そしてなぜか必ず泣かされるお話なのです。



これは10作完結予定の革命シリーズの9作目ですが、
今までの登場人物が繋がって厚みのあるストーリーになっていました。

これだけ多くの登場人物を書き込むのは相当なことだと感心するしかありません。

それぞれが自分の人生を生き、その人生が交錯している様は物語の中という気がしませんね。


そして最終章に向けて私が一番気になるのは亮司の運命、それに日本がどうなっていくのかですね。

その他にも邪悪の塊の大川や、すでに大物の風格の向季や、櫂やすみれも・・・

って、気になるのは全員・全部ですね~。



日本人は多国籍の力強さに呑まれてしまうのかもしれない・・・

亮司が恐怖を感じるシーンが印象的でした。

そしてそれは、そのまま今の日本にも言えることなのではないかと思いました。

植物でも、生物でも日本のものは繊細で外来種に負けてしまっている現状がありますからね~

どう変化するのかはわかりませんが、日本本来の良さは失いたくないものです。



おっと、脱線しましたが、どんな結末になるのか、ドキドキです~






奇声を上げ、ポテトやパイを粘土のようにこね回している子供を無視して、お喋りに夢中な母親たち。制服で煙草を吸っている男子生徒と、その隣で必死に化粧をしている女子生徒。
――いつか、みんな殺してやろう。いつか必ず。

この殺意が理解できてしまう私って・・・




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00 : 28 : 53 | ★★★五條瑛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission) / 五條 瑛
2010 / 01 / 12 ( Tue )

今年の年越し本です。

五條瑛さんの誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission) 

1月3日に読み終わったので、感想を記すまで時間があいてしまいました。

何でもすぐに書き留めておかないと感動を忘れてしまいますね~

さてさて、今回のお話の感想ですが・・・。

今までバラバラだった登場人物が同じ土俵に上がってきたな、と感じました。

そのことによって、それぞれのつながりがよりはっきり見えてきましたね。

そこで思ったのは、だれでも人生の主役は自分なんだ、ということ。

当然のことなのですが、群像劇を見ると痛感しますね~。

痛みも、孤独も、人と共有することは難しい・・・。

全て自分で引き受けるものなのだな、と。

そしてテーマが集約されているな、と感じたのはエピローグ部分。

『誰が本当の鬼で、誰が鬼じゃないのか……。
 何が正義で、何が間違っているのか……もう、わからなくなってしまったの。』

鬼のような男がこの世に生きた証として残したものは、
枯葉剤の犠牲者を救う病院だった、という結末には私自身も複雑な気持ちにさせられました。

人間の愚かさと尊さを同時に見せられ、自分の中にもそれがあると知っているからなお、
心が揺れたという感じでしょうか。

そういうわけで、またまた五條作品に考えさせられた私でした



誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission)誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission)
(2009/11/25)
五條 瑛

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00 : 19 : 11 | ★★★五條瑛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
黒を纏う紫 / 五條 瑛
2009 / 12 / 03 ( Thu )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

大量の移民に溢れかえる“夜の都”東京。巨大都市のエネルギーを支える“特殊物質”が危険なカルト教団に狙われた!特殊物質運搬者の鶴見に迫るテロリストたちの魔手。この街にすべてを奪われた男の運命を握るのは、ひとりの女ー。


●著者● (「BOOK」データベースより)

五條瑛(ゴジョウアキラ)
1999年『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年『スリー・アゲーツ』で第三回大薮春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2004年02月29日
著者/編集: 五條瑛
出版社: 徳間書店
サイズ: 単行本
ページ数: 437p




●感想●


五條瑛サマの書くものはなんでこう面白いのでしょう!

しかしたくさん読むにつれ、その世界を構成する要素は華麗なるワンパターン?と思えたりもするのですが・・・。
その世界が大大大大大好きだから、そのままいってもらいたいものです

そのワンパターン要素のひとつが、神のようなカリスマ性を持った男の存在。
他には、移民など、社会からはじかれた“弱者”、心に空洞を抱えた純粋な魂の持ち主など・・・。

それらの人々の生き様がぐっとくるのですね。

しかし今回はバイオレンス描写がエグかったな~。
痛そうなシーンがいくつもありましたっ

でもでも、ただのバイオレンスアクションには終わらない深いお話なんですねー。
なので、後味が悪くないのです

“繁栄は犠牲とともにある”

うん、そのとおりです。
それに意識を向けるべきですね。

ところで、登場人物のクウ、魅力的でしたねー。
天使の微笑みと悪魔の魂を持った男

ホント、女は美しいものに弱いんですよっ困り顔

この文であらわされているようにね。

女は、なんと外見に弱い生き物なのだろうか。頭蓋骨を覆う肉や皮のわずかな違いでしかないのに、たったそれだけのことで人生は大きく変わってしまう。美しさは武器。


神様、私にも武器を持たせて~






黒を纏う紫黒を纏う紫
(2004/01/25)
五條 瑛

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01 : 01 : 41 | ★★★五條瑛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ROMES06 誘惑の女神 / 五條 瑛
2009 / 11 / 11 ( Wed )

・・・・・

泣きました・・・。

こういうお話にはヘタな感想は書けません。

これを読んだあと外出したのですが・・・。
外出先でも思い出すと泣けてきてしまい、思いきり不審人物に・・・。
参りました

考えてみると、今まで読んだ五條瑛さんの全ての本に泣かされている私・・・。
それだけその人物描写に入り込むんですねー。
私は安い恋愛モノが好きではないのですが・・・。
五條作品の中では恋愛も人間ドラマなのです。
チャチじゃないんです。
それに加えてかっこいい登場人物・・・。
主人公の成嶋の一匹狼的かっこよさはもちろん、
脇役も個性豊かで、お話の中で勝手に生きているという感じ。
伝説のテロリスト、アウレリオの人物描写も好きです。
アナーキストでテロリストだが、インテリでもあり理論武装にも長け、発想は柔軟、態度は臨機応変・・・洗練されたものを好み、己の美学を持つ男・・・。
これ、ほとんど私の理想の男性かも困り顔


ストーリーも細かいところでボディーブローを打たれるんですわ。
成嶋が長年許せなかった教授を理解するシーンとかね。
リョウとタジリの絡みとかね。

いやー、ヘタな感想は書けないなんて言っておきながら、
思い出すと止まらない止まらない

・・・というわけでムリヤリ・・・、本の中にあった文で締めます。
善であれ悪であれ、魅力的なものは魅力的なのだよ。それは理屈ではない。人間としての、直感のようなものだ。


この本を読み終わって晴れて、
撮っておいた「ドラマ8 ROMES 空港防御システム 」(第一回目)を見ましたが・・・。
まるで別物でしたね~
配役も私に任せてくれれば・・・(?)という感じで・・・。
原作に感動した直後だから尚のこと、がくーっときました困り顔
でも、一応全部見てから判断しよ・・・



ROMES06 誘惑の女神ROMES06 誘惑の女神
(2009/04/20)
五條 瑛

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