ブラックボックス / 篠田節子          ★★★★☆
2018 / 03 / 19 ( Mon )

ブラックボックス 





●内容●(「BOOK」データベースより)


真夜中のサラダ工場、最先端のハイテク農場、地産地消を目指す学校給食…「安全安心」を謳う「食」の現場でいま何が起きているのか。利益追求と科学技術への過信の果てに現れる闇を、徹底した取材と一流のサスペンスで描くエンターテインメント超大作。


●著者●(「BOOK」データベースより)


篠田節子(シノダセツコ)
1955年東京都生まれ。東京学芸大学卒業後、東京都八王子市役所勤務を経て、90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、『インドクリスタル』で中央公論文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

  • 発売日:   2016年09月07日
  • 著者/編集:   篠田節子
  • 出版社:   朝日新聞出版
  • 発行形態:   文庫





●感想●

あっという間の597ページ!
テーマは“食”。
生きていくのに不可欠なものであるのに、大雑把な性格の自分は深い関心を持っていなかった“食”。
ジャンクやスウィーツは大好物だし、満腹超えても詰め込んでしまうし、食べたいものだけたらふく食べてと、反省しかありませんが・・・。
手軽に食べられるカット野菜やコンビニサラダなどで埋め合わせをしたような気になっていましたよ、今までは。
でも・・・あな恐ろしや~! 
このお話のおかげで少し意識が変わりました。
薄々感じていた危機感に直面させられたというか・・・
でも、悲しいことに、例え意識が変わったとしても、経済的・体力的・能力的等様々な理由で
改善が難しいという現実がありますね~。
理想の食事が摂れるのは恵まれた一部の人々というね。
貧富の差や、少子化、人口減、あまりにも儲け主義な企業、農業の改革を困難にしている制約、マスコミ・ネット社会のいろいろ、そしてズバリ食糧難・・・。
いろいろなことを考えさせられるお話でした。
読み応えがあり、深い内容、最高でもないけれど最悪でもないラスト、と面白い読書ができました




●勝ち組に回っても負け組に回っても、出にくいのが同窓会だ。

●完全制御型っていうのは、そういうことだ。針の穴から堤防が崩れるように、何か一つでも想定外の要素が入り込むと、システム全体が崩壊する

●感覚的な恐れや怯えは非科学的態度とされ退けられるが、人の五感というのは、高性能のコンピュータもかなわないほどの速さで、多くの要素を結びつけ、漠然とした気味悪さ、怖さ、嫌悪感といったものを喚起して、人に回避行動を取らせるものではないのか。



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インドクリスタル /  篠田 節子
2015 / 08 / 30 ( Sun )
9784041013526.jpg





●内容● (「BOOK」データベースより)

人工水晶の製造開発会社の社長・藤岡は、惑星探査機用の人工水晶の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴く。宿泊先で使用人兼売春婦として働いていた謎めいた少女ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく。商業倫理や契約概念のない部族相手のビジネスに悪戦苦闘しながら直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造ーまさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。そして採掘に関わる人々に次々と災いが起こり始める。果たしてこれは現地民の言う通り、森の神の祟りなのか?古き因習と最先端ビジネスの狭間でうごめく巨大国家を、綿密な取材と圧倒的筆力で描きだした社会派エンタメ大作。構想10年、怒涛の1250枚!


●著者● (「BOOK」データベースより)

篠田節子(シノダセツコ)
1955年東京生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタンー神の座』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2014年12月
著者/編集: 篠田節子
出版社: KADOKAWA
サイズ: 単行本
ページ数: 541p





●感想●


“インドの混沌”に圧倒されました。

まさに何もかもがある国。

底知れぬ知性を発揮する人がいる一方で、学校にも行けない人がいて、
圧倒的富を有する人がいる一方で、一生搾取され続ける人がいて、
神のように崇められる人がいる一方で、人間扱いされない人がいて・・・。

善もあり、悪もあり、美もあり、醜もあり…その他諸々、まさに混沌。


そんな中、ビジネスのために奔走する主人公の藤岡は典型的な日本人。

秩序も道徳観もない相手に悪戦苦闘します。

自らの厚かましさに疑問を持たない人に日本式のやり方は通用せず

その一部始終は読んでいるこちらの胃が痛くなるほどストレスフルでした。


存在感が際立っていたのは、やはり物語のキーパーソンのロサ。

藤岡は彼女の正体を見極められないまま、それでも娘のように気にかけ、その幸せを願うのですが・・・

“邪な種”と時に称される彼女は、そのカリスマ性と並外れた優秀さや冷徹さ故に、
人を引き付けると同時に恐れさせる不思議な存在として描かれていました。

それがサイコパスのようでも、神のようでもあり、謎めいた魅力となっていたと思います。

全体を通して、あまりの胸糞悪さに正直疲れるシーンも多々ありましたが・・・

ずば抜けた優秀さを武器に運命と戦ったロサの可能性を感じさせたラストは清々しく、
それまでのドロドロによるストレスを取り払ってくれました。




●異常なほど人を魅了する言動の裏には、往々にして深い憎しみが隠れていたりするものさ




━━このお話では、慈善事業の難しさや裏事情についても考えさせられました━━
 

 




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