橋を渡る / 吉田 修一     ★★★★
2017 / 08 / 21 ( Mon )
橋を渡る







●内容● (「BOOK」データベースより)

ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。思いがけず夫や、ママ友の秘密を知ってしまう。TV局の報道ディレクター、謙一郎。香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材する。結婚を控えたある日…2014年の東京で暮らす3人の悩み、ためらい。果たして、あの選択でよかったのかー


●目次● (「BOOK」データベースより)

春ー明良/夏ー篤子/秋ー謙一郎/そして、冬


●著者● (「BOOK」データベースより)

吉田修一(ヨシダシュウイチ)
1968年生まれ。法政大学経営学部卒業。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞、10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2016年03月19日頃
著者/編集: 吉田修一
出版社: 文藝春秋
発行形態: 単行本
ページ数: 435p





●感想●


なんだか取り留めのないお話だなぁ、なんて思いながら読み進みましたが・・・
最終章でつながりました、いろいろな人生が。

人はそれぞれ、信念を持って生きているのでしょうが、
それが試されるような大きな選択によって未来が決定されるのですねー。
( もしかしたら小さな選択によっても? )

「自分は正しい選択をした」と思えることの純粋さと危うさ。
「自分は正しい選択をしなかった」と思った時の迷い。
同時に集団心理の怖さも描かれていたと思います。

個人的に、心に残ったのは謙一郎のストーリー。
ひたすら悶々としました。
人はどうして、簡単に手に入らないものが欲しくなるのでしょう。
幸せになれるだろう素養をたくさん持っている人間が、
視野狭窄のために転落する様は悲しく思えました。

あとは近未来の“サイン”という存在。
現実感がありました。
人類の長い歴史を見た時に、
利己主義としか言いようのない出来事が絶えないことがその理由です。
今まで全世界が平和に満たされた時が一瞬でもあったのか? 残念ながら答えはNOです。
現在も大国の顔をすると同時に他国を弾圧している国が力を持っている状態。
権力は人を凶暴にしますね。
弱肉強食は自然の摂理と言われれば黙るしかありませんが、
この本の最後に希望があったように、真の平和への希望は捨てきれません・・・









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16 : 47 : 57 | ★★★吉田修一★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
怒り / 吉田 修一
2015 / 08 / 27 ( Thu )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

殺人事件から1年後の夏。房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に田代が現われ、大手企業に勤めるゲイの優馬は新宿のサウナで直人と出会い、母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉は田中と知り合う。それぞれに前歴不詳の3人の男…。惨殺現場に残された「怒」の血文字。整形をして逃亡を続ける犯人・山神一也はどこにいるのか?『悪人』から7年、吉田修一の新たなる代表作!


●著者● (「BOOK」データベースより)

吉田修一(ヨシダシュウイチ)
1968年長崎県生まれ。97年、「最後の息子」で文學界新人賞を受賞、作家デビュー。2002年『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞、07年『悪人』で毎日出版文化賞と大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 

●基本情報●

発売日: 2014年01月
著者/編集: 吉田修一
出版社: 中央公論新社
サイズ: 単行本
ページ数: 上280p 下254p




●感想●

お盆休みに帰省した時に読みました。

少し時間がたってしまって、あんなに泣きながら読んだのに記憶が薄れているアホな私です。

だからこのブログを続けているのだけれど、感想を書いても過去に読んだものの詳細が思い出せなかったりして。

ちょっと前に「読んだら忘れない読書術」を本屋さんで見た時に、私のためのもの~?と思いましたが、
まだ図書館には入っていませんでした。

順番待ちもすごいことになりそう


おっと脱線、「怒り」の感想ですね。

おおまかに言うと人を信じること、について考えさせられました。

人を信じることの危険、人を信じることの尊さ、ひっくるめて人を信じることの難しさ・・・。

こういうことを言うとひねくれ者だと思われそうですが、どうやら世の中には善良な人間ばかりというわけではないよう。

このお話でいったら“山神一也”のようなサイコパスがいるのは確かだと思います。

なので、信じるという尊い行為も、相手を間違えると災いをもたらすことになってしまいます。

しかし反対に、人の善良さを信じられなくても悲劇が起こることとなるのです。

人間は皆ひとりよがり。

自分のメガネで自分が見たい世界を見ているもの。

なんだかんだで、その中にきれいなものを多く見ることができる人ほど幸せに近づけるのかな、と思いました。






           

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21 : 12 : 15 | ★★★吉田修一★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
7月24日通り / 吉田 修一
2014 / 07 / 19 ( Sat )
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●内容● (「BOOK」データベースより)


地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。昔の片思いの相手に会いに、さしたる期待もなく出かけた小百合に聡史は…。もう一度恋する勇気がわく傑作恋愛長編。





●感想●


このお話を男性が書いたとは・・・


地味で自己肯定感が低くて、ストレートじゃない主人公の本田小百合。

その視点がことごとく女性っぽくて、作者はは女性をよく理解しているな、と感じました。

それか、もしかしたら作者自身が女性っぽい感性を持っているのか・・・

どちらにしても珍しいことだと思いました。

 
これ、構成が面白いお話でした。

だれもがイケメンと認める自慢の弟の彼女(弟の子を妊娠中)のことを認められない百合子。

その彼女が自分の性格を分析した10個の要素は
百合子自身が語る小説の10章の目次と重なるのです。

彼女の内面と百合子の内面はほぼ同じということ…同族嫌悪ですね。

でも、彼女はその誠実さによって百合子の心を溶かします。

ほとんどの人間は自分を心から理解してくれる相手に心を開くものですからねー。

私としては、その過程を興味深く読みました。


気になる百合子の恋愛ですが・・・一般的に女性はモテる男性が好きですよね。

相性がよい相手でも、幸せをくれそうな相手でも、ときめかなければ恋愛にはなりません。

偶然が重なったり、思いがけない出来事があったり、これでもかというロマンティックな展開でも、
自分が求める相手でなければ、やっぱりときめかないのですねー

“間違えないように”生きてきた自分に、間違えることを許したラスト、意表をついていてよかったです。

後悔しないように生きるには自分をごまかさないことですね。





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愛に乱暴 / 吉田 修一
2014 / 02 / 20 ( Thu )
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ストレスのたまる展開・・・
作者は何を描きたくてこんな展開にしたのだろう

読んでいる途中、何度も思ったことです。
それくらい悶々とするストーリーでした。
主要な登場人物がストレートじゃないタイプで、自分にも他人にも誠実じゃなくて・・・
解決しなければいけないことがあるのに、日常を送ることでそこから目をそらしごまかしている。

自分はこんな状態ではいられないタイプなので、理解不能で不快でした。
それに耐えて耐えて耐えて・・・
耐えて読み進んだら・・・おっと~忍耐のかいがありました!

最後の最後に作者が描きたかったことが見えた気がしたのです


「ありがとう」
この一言を聞くことができたら人間がんばれる

そしてこの一言が言えればドツボからも這い上がれる・・・

なんだか急に視界が開けた感じで、私もどんよりした気分から這い上がったのでした



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悪人 / 吉田 修一
2012 / 02 / 29 ( Wed )

愛情面でも経済面でも・・・

“持てる者”と“持たざる者”の格差を見せられたというのが大きな感想です。

世の常として、スタート時にあるその格差はたいていの場合、広がっていくのです。

もし清水祐一がそれらに恵まれていたならば、
         彼は全く違う人生を送っていたことでしょう。

被害者役を成り立たせるための悪人として生きることはなかったのでしょう。



多くの人が感じることだと思いますが、
このお話にはとても嫌な人物たちが出てきます。

人の感情を笑いものにする、良心の欠片もないような利己的な人間・・・。

読者の立場としては、そちらにより醜悪な人間性を感じます。

まさに悪人そのものを。

そして何故か、殺人者の祐一にはそれを感じにくいのです。



「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。
 大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。
 自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。
 失うものもなければ、欲しいものもない、だけんやろ、
 自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり、一喜一憂する人間を、
 馬鹿にした目で眺めとる。
 そうじゃなかとよ。
 本当はそれじゃ駄目とよ。」

娘を殺された父、石橋佳男の台詞は、はたして“悪人”の一人に届いたのでしょうか?


物語を振り返って自分の中に一番残ったのは・・・

祐一の祖母房枝がスカーフを買い、悪徳商法の事務所に踏み込むシーン。

不思議と、祐一が実の母親に捨てられた悲しいシーンよりも泣きました。


――正しかことしなさいよ。負けんとやけん!――

この言葉を読者へのメッセージのように感じた私です



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16 : 52 : 38 | ★★★吉田修一★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
横道世之介 / 吉田修一
2011 / 09 / 09 ( Fri )
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●内容● (「BOOK」データベースより) 

なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。


●著者● (「BOOK」データベースより)

吉田修一(ヨシダシュウイチ)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を同時受賞し、2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞、第61回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2009年09月
著者/編集: 吉田修一
出版社: 毎日新聞出版
サイズ: 単行本
ページ数: 423p






●感想●

私も進学のために田舎から出てきていろいろな経験をした一人なので・・・

世乃介の姿にかつての自分を重ねたリして、最初はほのぼのとした気持ちで読みました。

東京に出てきた時の感覚、いつのまにか変化した自分、
すっかり東京人になってから(?)帰省した時の故郷への新たな気持ち・・・。

そんなことを振り返る自分とまたまた重なるように、大人になった登場人物の回想がはさまれる構成が活きていました。

そして笑いながら読んでいたお話がいつか切ないものに

ストーリー展開だけでなく、自分が失った全てのものにたいしてのなんともいえない気持ちが襲ってきました。

(宗教団体に入ってしまった友達や、無謀な遊びをしていた若さや、一人暮らしの学生特有の自由や、
付き合っていた人が今思うとどんなに自分を大切にしてくれたか当時はわかっていなかったこと等、
思い出されることが今は無いものなんだな、と・・・)

終盤は涙、涙

基本過去は振り返らないし、忘れっぽいドライな私ですが・・・

久しぶりに「○○どうしてるかな?」なんていろいろな人を思い浮かべました。





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16 : 21 : 31 | ★★★吉田修一★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
さよなら渓谷 / 吉田 修一
2009 / 09 / 10 ( Thu )

生きていくために必要なものはなんだろう。
この本を読んで、そんなことを考えてしまいました。
共に過去を悔やみ、過去に苦しめられる加害者と被害者。
そこに生まれる歪んだ愛情・・・。
どんなことも単純に割り切ることができたら苦しみは生まれないのに。
でも、ここまでの特殊な状況でなくとも、人の感情は複雑なのですよね。
愛情の中に憎しみがあったり、その逆があったり。
道を踏み外した時のどうしようもなさ、がなぜか他人事には思えなくて・・・。
希望を持つ悲しみ、のようなものを感じてしまいました


さよなら渓谷さよなら渓谷
(2008/06)
吉田 修一

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