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掏摸 / 中村 文則
2016 / 11 / 09 ( Wed )
掏摸






●内容● (「BOOK」データベースより)

お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎ーかつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば…最近、お前が親しくしている子供を殺す」その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。悪の快感に溺れた芥川賞作家が、圧倒的な緊迫感とディティールで描く、著者最高傑作にして驚愕の話題作。


●著者● (「BOOK」データベースより)

中村文則(ナカムラフミノリ)
1977年、愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。2002年、『銃』で新潮新人賞を受賞してデビュー。04年、『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。05年、『土の中の子供』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2009年10月
著者/編集: 中村文則
出版社: 河出書房新社
サイズ: 単行本
ページ数: 175p




●感想 (週末に読んで記録しておいたものです) ●


ここまで心動かされたのは久しぶりでした。

緊張、共感、そして物語への純粋な好奇心、揺さぶられる感情、緊張・・・とほっとする間なくそれらを繰り返していた感じです。
それはまるで本物の人生を追っているかのような重さを伴っていました。
すっしりでした。
音楽でも、本でも、“自分が圧倒的に好きなもの”をリアルタイムには知らずに過ごしていることが多い私ですが・・・
これもそうだ、と思いました。
世の中にはまだまだ自分が知らない、でも自分が大好きなものが溢れているんだな。
それらをすべて知ることはほぼ無理なんだろう、と思うと同時に・・・
しかしなるべく知りたいもんだと願ったりして。
それにはあまりにもムダが多い過ごし方やねと自分にツッコミ気分です


実はまだ・・・
読後の余韻の中にいますが、この主人公の西村は圧倒的に魅力的でした。
悲しみを知っている冷静で知的な人間という点がまさに。
それは実は作者の内面なんじゃないか、と思ったりして・・・
俄然興味を惹かれてしまいました。
今までも漠然と好きだと思っていたのですが、決定打になりました。
これはね、聞く人に迷惑がられても言いふらさずにはいられない感情ですね。
まるで子どもです、はい

お話の展開的にはバッドエンドかとはらはらしましたが、ラストは微かに希望が残されたものでした。
そういう点も好き。
それこそ、苦痛と喜びを使い分け、ブレンドした匙加減・・・
私の力量では世界を味わうまでには至りませんが、それでも堪能した感たっぷりでした





●「惨めさの中で、世界を笑った連中だ」


●「……私は目の前にある価値を、駄目にしたくなる。……何でだろう。何もいいことなんてないのに。自分が何をしようとしているのか、わからなくなる……、あなたは、何か望みとかある?」


●「この人生において最も正しい生き方は、苦痛と喜びを使い分けることだ。全ては、この世界から与えられる刺激に過ぎない。そしてこの刺激は、自分の中で上手くブレンドすることで、全く異なる使い方ができるようになる。お前がもし悪に染まりたいなら、善を絶対に忘れないことだ。悶え苦しむ女を見ながら、笑うのではつまらない。悶え苦しむ女を見ながら、気の毒に思い、可哀そうに思い、彼女の苦しみや彼女を育てた親などにまで想像力を働かせ、同情の涙を流しながら、もっと苦痛を与えるんだ。溜まらないぞ、その時の瞬間は! 世界の全てを味わえ。お前がもし今回の仕事に失敗したとしても、その失敗から来る感情を味わえ。死の恐怖を意識的に味わえ。それができた時、お前は、お前を超える。この世界を、異なる視線で眺めることができる。俺は人間を無残に殺したすぐ後に、昇ってくる朝日を美しいと思い、その辺の子供の笑顔を見て、何て可愛いんだと思える。それが孤児なら援助するだろうし、突然殺すこともあるだろう。可哀そうにと思いながら! 神、運命にもし人格と感情があるのだとしたら、これは神や運命が感じるものに似てると思わんか?善人や子供が理不尽に死んでいくこの世界で!」


●僕は、自分が死ぬことについて思い、これまでの自分が何だったのかを、考えた。僕は指を伸ばしながら、あらゆるものに背を向け、集団を拒否し、健全さと明るさを拒否した。自分の周囲を壁で囲いながら、人生に生じる暗がりの隙間に、入り込むように生きた。


●僕はそれを見ながら、胸がざわついていた。自分で手に入れたものではない、与えられたものを誇る彼を、醜い存在なのだと思った。


●「僕は、遠くに行かなけれバならないから、もう会えない。……でも、つまらん人間になるな。もし惨めになっても、いつか見返せ」






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20 : 07 : 20 | ★★★中村文則★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
去年の冬、きみと別れ  / 中村 文則
2016 / 04 / 23 ( Sat )
去年の冬、きみと別れ




●内容● (「BOOK」データベースより)

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だがー。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!


●著者● (「BOOK」データベースより)

中村文則(ナカムラフミノリ)
1977年愛知県生まれ。福島大学卒。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸(スリ)』で大江健三郎賞を受賞。同作品は世界各国で翻訳され、アメリカ・アマゾンの月間ベスト10小説、アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」で2012年の年間ベスト10小説に選ばれ、さらに13年、ロサンゼルス・タイムズ・ブック・プライズにもノミネートされるなど、国内外で話題をさらった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2013年09月
著者/編集: 中村文則
出版社: 幻冬舎
サイズ: 単行本
ページ数: 192p



●感想●


中村文則さんの小説の暗く静かな感じが好きです。
ストーリーとは別に、そういう質感に惹かれます。
たとえ内容が面白くなくても、好きか嫌いかで分けたら好き。
音楽でいえばマイナーコードが好き、ということと一緒かな、と思います。

今回も冒頭から引き込まれる感じ。
わけのわからない状況を探っていくのが単純に刺激的でした。
全体を通して、よく練られたストーリーだな、と思いましたが・・・
最後のイニシャルに
そういえば冒頭にも同じイニシャルがあったんだった
死刑になるカメラマン(憎悪の対象)と、“大切なきみ”(愛情の対象)の本名のイニシャルはM・M、J・Iということですかね。

ところでこのお話で興味深かったのは、(憎しみを込めて本を捧げられた)カメラマンの性質。
「彼の欲望は、全て誰かの真似なのです。・・・・・つまり、彼の中には何もない」
これ!
自分はたまたま、何でも真似する人にターゲットにされることが多いので、つい注目してしまいました。
ファッションやインテリアなどの好みや、趣味や、話口調、考えまで猿真似する人っていますが・・・
中に何もない人がそういうことをするのですねー。
なので、カメラマンの真似行為に関するエピソードには深く頷くと同時に、改めて嫌悪感を覚えました。
そういう人物設定が自分にとっても憎むべきものだったので、彼が陥れられたことに関して不快感はありませんでした。
リスペクトがある模倣と、パクリは別物ですからねー。

・・・と、個人的なことで熱くなって、問答無用の敵認定という荒っぽいことをしてしまいましたが・・・
登場人物たちによって、人間の純粋さとあくどさを同時に見せられた、というのが大まかな感想です。




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01 : 20 : 29 | ★★★中村文則★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
迷宮 /  中村 文則
2015 / 07 / 29 ( Wed )
9784104588053.jpg




●内容●(「BOOK」データベースより)  

密室状態の家で両親と兄が殺され、小学生だった彼女だけが生き残ったその事件は「僕」が12歳の時に起きた。「僕」は事件のことを調べてゆく。「折鶴事件」と呼ばれる事件の現場の写真を見る。そして…。巧みな謎解きを組み込み、エンタテインメントをのみ込む、渾身の長編。
 

●著者情報●(「BOOK」データベースより)

中村文則(ナカムラフミノリ)
1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年、『銃』で新潮新人賞を受賞してデビュー。04年、『遮光』で野間文芸新人賞、05年、『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2012年06月
著者/編集: 中村文則
出版社: 新潮社
サイズ: 単行本
ページ数: 185p




●感想●

ずっと不安を煽られているような気分になる本でした。

それなのに先が読みたくなる展開で、不安定な気持ちを抱えたまま先に先に・・・。

こういう場合、無理矢理辻褄を合わせた感全開の期待外れなラストにがっかりするパターンが多い気がするのですが・・・

そんなことはありませんでした。

最悪なラストを連想させる流れだったけれど、超バッドエンドではなかったのが救いでしたね。

徹底して陰鬱な世界の中に見えた少しの希望が、まるで悪人に見出した長所のようでした。

いい人に欠点を見た時には心底がっかりしたりするのに、悪人に長所を見た時には好意的に見れたりするのと同じ。

不公平で、自分本位甚だしいですが・・・人の評価なんてそんな風だったりしますよね。





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17 : 07 : 14 | ★★★中村文則★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
教団X / 中村 文則
2015 / 05 / 15 ( Fri )
9784087715903.jpg






●内容情報● (「BOOK」データベースより)

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。
 

●著者情報●(「BOOK」データベースより) 

中村文則(ナカムラフミノリ)
1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年「土の中の子供」で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。『掏摸』の英訳版が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで2012年のベスト10小説に、『悪と仮面のルール』の英訳版が同紙の2013年ベストミステリーの10作品に選出される。また2014年、ノワール小説の分野に貢献した作家に贈られるアメリカの文学賞「デイビッド・グーディス賞」を日本人として初めて受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2014年12月15日頃
著者/編集: 中村文則
出版社: 集英社
サイズ: 単行本
ページ数: 567p



●感想●

なんか惜しい気がする
スタートはいい感じだったのだけれど・・・

特に松尾教祖の奇妙な話と称した説法の内容には興味を持ったのですがね~。
ブッダ・仏教・その他の宗教の解説や量子力学からのアプローチによる宇宙論、この世について、生と死について、神とについて・・・
冒頭を読んだ時点では、そういうことへの興味をもっと刺激してくれるかな、という期待を持ってしまいましたが。
後半に進んでいくにつれ、なんだかかわされたかな~、という気がしました。

でもまあ、私の期待がその点だったというだけの話で・・・
作者は書きたいことを書いたのでしょうね。
後半松尾教祖他に語らせた政治や国や民衆に対する意見も、作者自身の言いたいことだったのかな。

戦争が生む利益のからくり、大国が描いたシナリオに踊らされる力のない国、人・・・
うんざりするような“悪”の絡み合いによって成り立っている世界・・・
良心のある人間ならそのような世界は望まないし、平和を望むのは当然のことですが、
だからといって「戦争反対」と言うだけの傍観者はただ理想を声高に叫び、
ポーズをとっているだけの偽善者だという気がします
だからこそ、おもしろいキャラの松尾教祖にありきたりな形でそれを言わせてしまったつまらなさ、みたいな印象が残念でした
なーんて、結局自分の期待する方向よりも、男性視点の性という方向に傾いていった作者への恨み炸裂なのかも~(倒錯した嗜好も極みまで行ってくれないと生々しくて楽しめないっ)
率直に言って女性の性描写がワンパターンだったからか、男性視点という印象が強く残りました
うーん、これ、男性なら多くのエロ描写が楽しめたのかな~? 謎。



影響力のある部分ではないけれど、共感した文章↓

元々本はよく読んだ。ページをめくりさえすれば、言葉は自分を面倒な世界から隔離してくれる。


           うん、その通りですねー。だから本にはまるのですよね!





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16 : 52 : 37 | ★★★中村文則★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
土の中の子供 / 中村 文則
2007 / 11 / 14 ( Wed )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。第133回芥川賞受賞作。

主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。主人公の恐怖、渇望、逼迫感が今まで以上に丹念に描写された、力作。表題作に、短編「蜘蛛の声」を幣録。


●目次● (「BOOK」データベースより)

土の中の子供/蜘蛛の声


●著者● (「BOOK」データベースより)

中村文則(ナカムラフミノリ)
1977年愛知県生まれ。福島大学行政社会学部卒業。2002年「銃」で、第34回新潮新人賞受賞、第128回芥川賞候補となる。2003年「遮光」で第129回芥川賞候補、2004年第26回野間文芸新人賞受賞。2005年「悪意の手記」で第18回三島賞候補となる。「土の中の子供」で第133回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





●感想●


「土の中の子供」「蜘蛛の声」、2つのお話が収められていました。
どちらも重い絶望感を漂わせたお話でしたね。
短い小説なのですが、読んでいてつらいものがありました。
でも、「土の中の子供」の方には少し救いがあった気がします。
それは主人公のラスト近くのセリフに感じましたね。
過去の出来事と共に、お世話になった人物に感謝を伝えるセリフなのですが・・。
心が荒みきっていると思えた主人公が、密かに持っていた感謝の気持ちに泣けました。
・・・とはいっても、重苦しさは最後まで付きまといます。
弱っている時には読まない方がよい本だといえるでしょう困り顔





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