長いお別れ / 中島 京子
2015 / 08 / 31 ( Mon )
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●内容● (出版社より)

帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。
妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をするーー。

東家の大黒柱、東昇平はかつて区立中学の校長や公立図書館の館長をつとめたが、十年ほど前から認知症を患っている。長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし、娘が三人。孫もいる。

“少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう、迷子になって遊園地へまよいこむ、入れ歯の頻繁な紛失と出現、記憶の混濁ーー日々起きる不測の事態に右往左往するひとつの家族の姿を通じて、終末のひとつの幸福が描き出される。著者独特のやわらかなユーモアが光る傑作連作集。


●著者● (「BOOK」データベースより)

中島京子(ナカジマキョウコ)
1964年生まれ。2003年、田山花袋『蒲団』を下敷きにした書き下ろし小説『FUTON』で作家としてデビュー、野間文芸新人賞候補となる。2010年『小さいおうち』で第一四三回直木賞を受賞、2014年山田洋次監督により映画化される。同年『妻が椎茸だったころ』で第四二回泉鏡花文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2015年05月27日頃
著者/編集: 中島京子
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 263p





●感想●


「インドクリスタル」を読んだ後だったので・・・

一言で感想を言えば文字数少なっ、でした

連作集ということで、なんとなく物足りなさも感じたりして・・・。

でも、お話の所々にはリアリティ-を感じました。


認知症(長いお別れ)の描写というと暗いものになるのでは、と予想しましたが、このお話はそうでもなく・・・

東昇平や妻・曜子の人柄が可愛らしいので、思わず笑ってしまうシーンも多くありました。

でもさすがに、昇平の病気が進行するに従い、深刻さが増していきましたね。

高齢化社会の問題点や課題について、クオリティオブライフについて等、
具体的に考えさせられるような流れになっていったと思います。

多くが核家族化した現在、今後顕在化していくテーマですね。


普段はそうでもないのに、なぜか映画鑑賞と読書中は涙もろい私。

物足りないとか言っておきながら今回も泣きました。

「入れ歯をめぐる冒険」の「私、あなたのことが好きみたい」(認知症のおばあちゃんが息子に対して言った台詞)の辺りと「QOL]のラスト辺りはキました。

“長いお別れ”はもしかしたら本人は幸せ、というケースもあるかもしれないけれど、まわりは切ないなー。

でも、いろいろ鈍感になって、ぼんやり状態で恐怖や悲しみを感じずに逝けるならそれがいいか、と思ったり・・・

誰でもいずれは死ぬのだけれど、受け止め方は人それぞれですね。

正直、今は積極的・具体的には考えたくないテーマかな~。





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花桃実桃 / 中島 京子
2011 / 08 / 26 ( Fri )

――人生には、いろんな味わいがある――


そしてそれぞれがいろんな花をつけ、実をつける。

花桃のように食べられない小さな実のことも、場合によっては実がならないことも・・・。


そんないろいろな人生がほのぼのと、時におかしく、時に悲しく、しかし結局前向きに描かれていました。


登場人物が皆愛すべき人物だったのがよかったです。

特に主人公の茜が面白い感性の持ち主で

ぷっと吹き出してしまうシーンもいくつかありました。

 
“酒も人生も、馬鹿みたいに甘くはないのだから”

そんなことがわかりかけた若くもなく年寄りでもない女性にオススメできる本でした



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(2011/02)
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小さいおうち / 中島 京子
2011 / 01 / 17 ( Mon )
ちいさい






この本を選んだのは失敗だったかな?

読み始めの頃の正直な感想です。

若い頃女中奉公をしていた老女の思い出話で始まったこのお話・・・。

最初の数ページはなんだか私にとっては退屈だったのです。

でもでも・・・

読み進むにつれて徐々におもしろくなり本の世界に引き込まれていきました。

そして読み終わった後は思い出すだけで涙がこらえられないほど!

この読後感は「永遠の0」の時と似ている気がします。

戦争によって人生を制限された人のお話という共通点もありますしね。



いろいろな見方があると思いますが・・・。

私が主ととらえたのは、やはり板倉さんと時子奥様の秘めた恋です。

そして女中のタキが選んだ道・・・。

胸がしめつけられるような切ないお話でした。



感心したのは構成の巧みさ。

いろいろなことが第三者の視点で語られる最終章でとどめを刺されましたね。

まるで自分の身に起きたことのように感情を揺さぶられました。


人の一生って儚いな・・・。

そして、当然のことですが、人は自分を生きるしかないのですね。






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