舟を編む / 三浦 しをん (ふりかえり読書録)
2015 / 08 / 11 ( Tue ) ●内容● (「BOOK」データベースより) 玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていくー。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのかー。 ●基本情報● 発売日: 2011年09月 著者/編集: 三浦しをん 出版社: 光文社 サイズ: 単行本 ページ数: 259p ・・・2012年本屋大賞 大賞受賞・・・ ●感想● 話題の本はやはり面白いのですねー 思わずぷっと吹き出してしまったシーンがたくさんありました 長編好きの私から見ると、後半の展開があっけなく、正直やっつけ感を感じたのですが・・・ それでもやはり面白いお話でした 例えば、その名の通りの馬締(まじめ)君のバカ真面目さが面白い他・・・ 彼の不器用さに共感したり、有能なのにコミュニケーション下手なところに同情したり、 “静かに持続するエネルギーを秘めたところ”に惹かれたり、という具合 馬締君と香具矢さんの似たもの同士ぶりも素敵でした 猫好きな私としては、2人とも猫タイプの人間に思えましたね 群れない、媚びない、自分に忠実 こんな人だったら自分も自然体で接することができるかも?なんて思えました。 同時に、周囲の人達も愛すべきキャラクター。 嫌なタイプの人が出てこないお話はストレス無しで読後感も爽やかでした~ ★今まで辞書がどんな風にできるのか、なんて考えたこともなかったのですが、 利き酒ならぬ利き辞書ができたら面白いだろうな~、なんて思いました で、うちにある辞書なのですが・・・ 私が子供のころから使用しているものなので、とにかく情報が古い古い やはり新しいものを入手しなくちゃかな、という気になりました。 言葉というのはナマモノで、だからこそ面白いのですねー! 関係ないけど、私も“めれん”になるのは程々にしないと~ ✿この感想は2013年4月にメモしておいたものです✿
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白いへび眠る島 / 三浦しをん
2013 / 03 / 29 ( Fri ) 今年はへび年なので・・・ 2013年・初読書に選んだのがこれです(今頃アップしてます) 冬休み、実家でごろごろしながら読んだのですが 退屈しない展開で面白かったと思います 現実と非現実の間を無理なくさまようストーリーでしたが・・・ バランスがほどよくて、しらけずにすみました。 最後の「文庫書き下ろし」の部分のカミサマの捉え方も好きですね 楽しめました
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まほろ駅前多田便利軒 / 三浦 しをん
2012 / 02 / 26 ( Sun ) マンガのようにスピーディーで軽い展開のお話でした。
軽妙な文章の運びなどが面白かったと思います。 しかし若干の物足りなさは感じたかな? 時間が無い時に図書館で咄嗟に選んだ本なので、映画化されていたことも知らなかった私。 今ネットで見てみて、むしろ行天=瑛太?、松田龍平はうーん・・・、なんて思っちゃいました ま、映画を見ていないのでヒジョーに勝手な意見なんですけどね
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光 / 三浦 しをん
2011 / 11 / 10 ( Thu ) 津波という天災によって・・・ 家族や、当たり前だと思っていた環境や、思い描いていた未来など、多くのものを奪われた少年から広がるお話でした。 この内容ではやはり3.11の震災のことを思わずにはいられませんでした。 容赦ない自然の猛りによって日常を奪われた人達が実際に多くいることを思わずには・・・。 自分の意思とは無関係に起こってしまう悲劇。 それは天災によってもたらされるだけではなく、いろいろな場面で起こる可能性があるものです。 そして思い知る一人の人間の無力さ・・・。 このお話では生きること=苦しむこと としてとらえられている気がします。 しかし、一方で生き続ける者のたくましさも描かれているのです。 未来は不確かで、何の保証もないけれど、それを受け入れ苦しみを受け入れた者はたくましい。 結局は・・・生物として、死ぬまで生きるしかないということですね。 直前に読み終わった「球体の蛇」に続いて、微妙な読後感でした。
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仏果を得ず / 三浦 しをん
2011 / 09 / 19 ( Mon ) 文楽にはひとつも興味がなかった私ですが・・・ 面白く読めました。 最近読んだ「サクリファイス」もそうでしたが、専門的なことを知らなくても 説明じみていない説明がさり気なく読み手を助けてくれる感じでした。 全体を通して・・・ すべてを捨てても惜しくないと思えるものに出会えた時の充実感が溢れていました。 それが主人公をはじめとする登場人物達を生き生きをさせていましたね。 時にヘタレだけど素直で親しみやすい健、奔放な銀太夫、一癖ある兎一郎・・・ いやな人物が一人も出てこないのが清清しい後味につながりました。 いろいろあった末に主人公が辿りつくのは「文楽を全うするために長生きする」という気持ち・・・。 一生の目標があるってすごいことですね。 自分はいつもふらふらと生きてきたタイプなので単純にいいな、と思いました 読み終わった後にふと文楽の動画をいくつか見てみたのですが・・・ ん~~~・・・ ホンモノを見たら見る目が変わるのかな~、と不謹慎な感想ですみませんっ
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ロマンス小説の七日間 / 三浦 しをん
2011 / 02 / 17 ( Thu ) 登場人物が基本的にさわやかなので・・・ 軽く楽しく読めました。 主人公が翻訳しているロマンス小説と、現実世界が微妙にシンクロするところが 面白い構成でしたが・・・ どちらももどかしい展開ですね~。 恋愛小説ならばめでたい大団円も結構じゃないか、と思いますが・・・ それでは嘘くさいということでしょうか。 ふだん甘い恋愛小説は読まない私ですが、 意外に王道ロマンス小説にはまるタイプなのかもしれないな、と思いましたっ
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