幻夏 / 太田 愛       ★★★★★
2017 / 10 / 07 ( Sat )
幻夏







●内容● (「BOOK」データベースより)

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。


●著者● (「BOOK」データベースより)

太田愛(オオタアイ)
香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者クリミナル』(上・下)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2017年08月25日
著者/編集: 太田 愛
出版社: KADOKAWA
発行形態: 文庫
ページ数: 496p





●感想●


物語への好奇心から捲る手が止められない前半。
登場人物に感情移入するほど苦しくなり、その重みと緊迫感で思わず本を閉じてしまう後半。
そして最後の一文で耐え切れず涙しました。

「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ」
↑は刑事裁判の原則ですが、この本の中にあったのは
「十人の真犯人を捕まえるために一人の無辜が犠牲になる」現状。
この本を読むまでは私も無知なもので、捜査で見つかった証拠は全て裁判に提出されると思っていました。
しかし被告人に有利な証拠を検察が敢えて提出しないケースが珍しくない事を知り唖然。
日本の裁判の現状を知ると共に、その犠牲になった登場人物の気持ちに同化して悶々としました。

このお話の根底にあるのは水沢尚と相馬亮介の少年時代のエピソード。
過ぎ去った幻のような夏。
その生き生きとした描写が切なさを倍増させますね。
私は主要な登場人物の精神が純粋で、一本筋が通っているところが好きだと思いました。
たとえ、ここでは主人公を奈落に突き落とした検事さえも。(一人の無辜を犠牲にしてでも、多くの犯罪者を罰するという信念を持っている)

心を動かされた時ほど、重いストーリーの時ほど、感想が書けなくなる私ですが・・・
今回もそれですね。
読んでいる間の感情は快適なものではなかったりもしましたが、だからこそラストの微かな救いにほっとしました








●過去に関する「もし」は、全部、起こらなかったことだ







         

      
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12 : 11 : 10 | ★★★太田愛★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
路 ルウ / 吉田 修一       ★★★★★
2017 / 10 / 03 ( Tue )
路







●内容● (「BOOK」データベースより)

ホテルの前でエリックからメモを渡された。彼の電話番号だった。「国番号も書いてあるから」とエリックは言った。すぐに春香も自分の電話番号を渡そうと思った。しかしエリックが、「電話、待ってる」と言う。「電話を待っている」と言われたはずなのに、春香の耳には「信じてる」と聞こえた。春香は自分の番号を渡さなかった。信じている、あなたを、運命を、思いを、力をー。商社員、湾生の老人、建築家、車輛工場員…台湾新幹線をめぐる日台の人々のあたたかな絆を描いた渾身の感動長篇。


●著者● (「BOOK」データベースより)

吉田修一(ヨシダシュウイチ)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞、07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞、10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2012年11月
著者/編集: 吉田修一
出版社: 文藝春秋
発行形態: 単行本
ページ数: 447p





●感想●


分厚い本でしたが・・・
退屈な部分はありませんでした。

台湾と日本を舞台に、両国を結ぶ物語でした。



さまざまな人生が交錯する群像劇の中、軸になっていたのは多田春香と劉人豪(リュウレンハオ)のプラトニックラブです。
二人がうまくいくように期待しながら時にもどかしさを感じたり・・・
同じフィクションでもラブコメ映画だったらもっと都合よくいくのになぁ、なんてヤキモキしました。

お互いに心の奥で相手を探しながら台湾で暮らす春香、日本で暮らす人豪。
時間が経つうちに、気質が土地に影響されていくのが面白いところでした。
( 台湾人のようにおおらかになる春香と、日本人のように秩序や約束を大切にするようになる人豪 )



他に同時進行していたのが、陳威志(チャンウェイズー)のストーリーと、葉山勝一郎のストーリー。

陳威志は憎めない若者で、彼が出てくるシーンは息子(息子を持ったことはありませんが)を見守るような気持ちで読みました。

そして個人的には、もしかしたら春香のストーリーよりも心にぐっと来た感がある葉山勝一郎のストーリー・・・
湾生の勝一郎と、台湾人の日本名・中野赳夫こと呂燿宗(ルヤオツオン)の生涯をかけた友情に泣きました。
まさに愛・・・
こんな温かな気持ちで自分を丸ごと受容してもらえたら…どんな人生でも生きた甲斐があったと思えるでしょうね。
私がいまだ苦手な、人を許し、罪を許すという行為の先には、安らぎがあるのだなぁ。



未来につながる物語は、読み手のことも前向きに引っ張ってくれる穏やかなパワーに溢れていました











●東京でも台北でも嫌なものを見ようとすれば、どこにでもある。ただ美しいものを意識的に求めれば、それだってどこにでもあるわけで、せっかく開いた目で見るのであれば、美しいものの方がいいと春香は思う。


●ある晩、祖母と夕食を食べていると、「今夜は遊びに行かないの?」とまた言う。「いいよ、もう飽きた」と威志は素直に答えた。すると深く頷いた祖母が、「そうなのよ。なんでも飽きるまでやってみないとダメなのよ」とアハハと笑ったのだ。


●工程スケジュールの組み方でも何でもそうだが、日本では確実なものが好まれる。十日かかりそうなら十一日となる。この一日のゆとりがあるとないとでは様々なことが違ってくる。日本に来たばかりの頃、このゆとりにうまく馴染めずに苦労した。本当なら十日で終わるものが、余裕を見て十一日になることが、どこか相手を騙しているような気がしてならなかったのだが、ある時、大学院の同級生に日本建築の床の間という場所について教えてもらい、妙に腑に落ちた。以来、人豪もこの日本式のゆとりが気に入っている。


●「もういいよ。いいって。……それにな、俺たち台湾人ってのは、つらかったことより、楽しかったことを覚えているもんなんだ。つらかったことなんかすぐに忘れて、楽しかった時のことを口にしながら生きていく。それが俺たちだ」







     

      
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09 : 13 : 42 | ★★★吉田修一★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
アナザー / 綾辻 行人  
2017 / 09 / 26 ( Tue )
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●内容● (「BOOK」データベースより)


その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれたー。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。


●著者情報● (「BOOK」データベースより)

綾辻行人(アヤツジユキト)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院博士後期課程修了。87年大学院在学中に『十角館の殺人』で衝撃的デビューを飾り、いわゆる新本格ムーヴメントの契機となる。92年『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2009年10月
著者/編集: 綾辻行人
出版社: 角川書店 , KADOKAWA
サイズ: 単行本
ページ数: 677p






●感想●


ああ、これは見事にだまされました

後で考えてみればなるほどね、という展開なのですが、まんまと・・・

でも、こういう場合だまされる方が楽しいのですよね



しかし人間の記憶というものはつくづく当てにならないものです。

自分も、アタマの中のいろいろが常に流れている状態なので、実感からそう思います。

そしてその実感があるからか、記憶の不確かさ、曖昧さをテーマにしたものにはとても惹かれるのです。


ということで・・・

細部の記憶がぼやけてしまって

少し前に読んだこの本の感想を細かく書けない私なのでした

犯人そいつか!と思ったことだけが強烈な記憶

悲しいお話だなー、と感じたことが微かな記憶


んんっ、記憶をあてにしていけません、という経験をまた積んでしまいました~







✿この感想は2013年4月にメモしておいたものです✿
  (下書き状態で埋もれていたぞシリーズです)





 

      
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14 : 09 : 48 | ★★★綾辻行人★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
無花果とムーン / 桜庭 一樹
2017 / 09 / 25 ( Mon )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

「あの日、あの瞬間がすべて。時間よ、止まれ」あたし、月夜は18歳。紫の瞳、狼の歯を持つ「もらわれっ子」。ある日、大好きなお兄ちゃんが目の前で、突然死んでしまった。泣くことも、諦めることもできない。すべてがなんだか、遠いーそんな中、年に一度の「UFOフェスティバル」が。そこにやってきた流れ者の男子・密と約。あたしにはどうしても、密がお兄ちゃんに見えてー。少女のかなしみと妄想が世界を塗り替える。そのとき町に起こった奇跡とは。


●著者情報● (「BOOK」データベースより) 

桜庭一樹(サクラバカズキ)
2000年デビュー。07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2012年10月
著者/編集: 桜庭一樹
出版社: 角川書店 , KADOKAWA
サイズ: 単行本
ページ数: 349p





●感想●


私の好きな作家の一人、桜庭一樹さん。

少女漫画のような甘さの中にピリッと効いた隠し味・・・

そんな彼女独自のワールドの、甘さではなく毒だったり塩気だったりの方に惹かれます。

興ざめする一歩手前の匙加減が絶妙だな、と微妙なところで“好き”に転ぶ感じです


でも今回のお話は個人的にあまり入り込めなかったかなー。

なんと言ったらいいか、その匙加減が今回ばかりはしっくりこなくて(しつこいですね~)、軽すぎた印象。

桜庭ワールドは繰り広げられていたのですけれどね


それといつも違和感を感じながら、最後には認めてしまうのが登場人物の名前。

そのネーミングセンスが今回も炸裂!

苺苺苺苺苺と書いてイチゴと読んだり、奈落とか月夜とか・・・よく考えつくなー、と思います


「語ることではなく、“どうしても語ることのできない重大ななにか”こそが、実はその人自身なのだ」

印象に残った文章です。

たしかに! でも、自分のそれは何だろう?

ぱっと思い浮かばないからこそ、わかりたいようなそうでないような・・・




✿この感想は2013年4月にメモしておいたものです✿
  (下書き状態で埋もれていました) 






     

      
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21 : 54 : 47 | ★★★桜庭一樹★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
鬼談 / 京極 夏彦       ★★★
2017 / 09 / 24 ( Sun )
鬼談








●内容● (「BOOK」データベースより)

愛、絆、情ーすなわち執着は、人を鬼と成す。人は人を慈しみ、嫉妬し、畏れをいだく。その思いが強ければ強いほどに。“生と死”“人と鬼”の狭間を描く、京極小説の神髄。「」談シリーズ第四弾となる、鬼気迫る短篇集。


●目次● (「BOOK」データベースより)

鬼交/鬼想ー八百人の子供の首を斬り落とさなければならぬ程。/鬼縁/鬼情/鬼慕/鬼景/鬼棲/鬼気/鬼神


●著者● (「BOOK」データベースより)

京極夏彦(キョウゴクナツヒコ)
1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビューする。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2015年04月02日頃
著者/編集: 京極夏彦
出版社: KADOKAWA
発行形態: 単行本
ページ数: 263p







●感想●


短篇はあまり好きではないのですが、作家が好きな時、どこか惹かれるものがあった時、短編だと分からなくて読み始めてしまった時には読みます。

京極夏彦さんは大好きなので読みました。

独特の文章のリズムを感じ、文章による視覚効果に拘りを感じ、その世界に浸りました。

まるで禅問答のような掛け合いが好きです。

また、言葉の意味を突き詰めていく手法が好きです。


この本では「鬼気」が印象的でした。
一番現実的だったので・・・
身内に対する愛情と嫌悪がせめぎ合う感覚も、惚けた人を相手にする苦悩も。


読み終わってみて、やはりこれらの世界観の長編を読みたくなってしまいました。
同時に、好きな作家さんのものは、長期的展望で全作品を読みたいなとも思いました。
そう意識しないと短編を食わず嫌いしてしまうのです~







● 「 ないものと見るには、記憶に頼るしかないのよね。 見たことないものは想像しようがないもの。 鬼というのは記憶なの。 連綿と続く過去こそが鬼よ。 それを思い起こすことが━━予感よね。 だから人は、幽霊なんかを見てしまうような気になるのね。 あらゆる恐怖は、予感なのよ 」




    ***** 2017年8月にメモしておいた感想 です*****




        

      
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08 : 36 : 14 | ★★★京極夏彦★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ジャッジメント / 小林 由香       ★★★
2017 / 09 / 08 ( Fri )
ジャッジメント










●内容● (出版社より)

大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。20××年m凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして被害者たちを救えるのだろうか?


●著者● (「BOOK」データベースより)

小林由香(コバヤシユカ)
1976年長野県生まれ。2006年第6回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞で審査員奨励賞、スタッフ賞を受賞。08年第1回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールで審査委員長賞受賞。10年MONO-KAKI大賞シナリオ部門で佳作入選。11年「ジャッジメント」で第33回小説推理新人賞を受賞。同作がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2016年06月20日頃
著者/編集: 小林由香
出版社: 双葉社
サイズ: 単行本
ページ数: 267p





●感想●


重いテーマです。
罪と罰について・・・。

現実に、犯罪のニュースを見て感じるのは圧倒的な理不尽さ。
被害者の人権より加害者のそれの方が守られているように感じる事がほとんでで憤りを感じます。
そういう意味で少年法にも疑問を感じる事が多々あります。

だからこその“復讐法”
そこまでは納得です。

しかし、この法律の過酷なところは復讐法を選んだものが自らの手で刑を執行しなければならない事。
これは生半可な事ではありません。
善良な人間ほど、復讐心と良心の板挟みにあって苦しむのです。

逃げ場のない鬱屈した世界に、冒頭から読むのをやめようかと思ったくらいのお話でした。

更生を願う人、復讐する人、罪を赦したいと思う人、自分の死をもって償う人。
一体、何が正しいのだろう。
一番正しい答え━━それはどこにあるのだろう。
3年間復讐法を見届けてきた主人公がラストに行きついたのは・・・
人の人生は変えられなかった・・・でも自分の人生は変えられるという希望。
“ジャッジメント”は棚上げになった形ですが・・・
読者を鬱状態から引っ張り上げるためにはそのラストしかないかー、と感じました。








     

      
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18 : 50 : 11 | ★★★小林由香★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
乱心タウン / 山田 宗樹          ★★★
2017 / 09 / 04 ( Mon )
乱心タウン










●内容● (「BOOK」データベースより)

紀ノ川康樹は超高級住宅街の警備員。資産はあるがクセもある住人達を相手に、薄給にもめげず、万全のセキュリティのため日々仕事に邁進していた。ある日、パトロール中に発見した死体を契機に、康樹は住人達の欲望と妄想に巻き込まれていくー。閉鎖的な空間で暮らす人々の視野が歪に変貌していく様を鋭く描いた痛快エンターテインメント小説。


●著者● (「BOOK」データベースより)

山田宗樹(ヤマダムネキ)
1965年愛知県生まれ。98年「直線の死角」で第一八回横溝正史賞を受賞。2003年に発表した『嫌われ松子の一生』は、映像化もされ大ベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2012年10月
著者/編集: 山田宗樹
出版社: 幻冬舎
サイズ: 文庫
ページ数: 653p








●感想●

選民思想の極みのような人々が住む街マナトキオ。
そこに住まうことは最高のステイタス。
しかし、皆から羨まれる立場の住民たちは、一皮むけば満ち足りていない人間ばかり。
地位やお金があっても幸せではない状態。
そんな街を舞台に起こる群像劇でした。

マナトキオの住民が利己主義で傲慢なので、頻繁にもやもやする展開ですが・・・
彼らが嫌な奴らだからこそ、ぎょっとするラストが活きるのですね。
こういう時の自分は、日常生活で出てしまうとヤバい、「裁きたい病」が発症している状態です。
これが出てしまうと許すという行為が困難になってしまい、わりと支障があります。
なので、読書によって、悪い奴に天誅を食らわせる願望を叶えておくのは意外に効果的なのです。
・・・ということで、私は“正しい人”が好き。
正しくて筋が通っている登場人物が活躍するお話であれば、たいていのアラはスルーで絶賛するという単純バカでーす



━━この感想は2017年4月27日にメモしておいたものです━━







  

      
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