ヒトごろし / 京極 夏彦          ★★★★★
2018 / 07 / 12 ( Thu )
ヒトごろし










●内容● (出版社より)

殺す。殺す殺す。ころしてやるーー。新選組の闇に切り込む禁断の異聞! 人々に鬼と恐れられた新選組の副長・土方歳三。幼き日、目にしたある光景がその後の運命を大きく狂わせる。胸に蠢く黒い衝動に駆られ、孤高の剣士の犯した数多の罪とはーー? 激動の幕末で暗躍し、血に塗れた最凶の男が今蘇る。京極夏彦史上、衝撃度No.1! 大ボリュームで贈る、圧巻の本格歴史小説の誕生。


●内容● (「BOOK」データベースより)

新選組の闇に切り込む禁断の異聞!人々に鬼と恐れられた新選組の副長・土方歳三。幼き日に目にしたある光景が、彼の運命を大きく狂わせていく。胸に蠢く黒い衝動に駆られ、人でなしとして生きる道の先にはー?激動の幕末で暗躍し、血に塗れた最凶の男が今蘇る。


●著者●

1963年生まれ。北海道小樽市出身。
世界妖怪協会、全日本妖怪推進委員会改めお化け友の会・代表代行。
古典遊戯研究会紙舞会員。お化け大學校・水木しげる学部教授。

1994年「姑獲鳥の夏」で衝撃的なデビューを飾る。1996年「魍魎の匣」で第49回日本推理作家協会賞長編部門、1997年「嗤う伊右衛門」で第25回泉鏡花賞、2003年「覘き小平次」で第16回山本周五郎賞、2004年「後巷説百物語」で第130回直木賞を受賞。2011年 「西巷説百物語」で第24回柴田錬三郎賞受賞。2016年 遠野文化賞受賞。


●基本情報● 

発売日: 2018年01月31日
著者/編集: 京極 夏彦
出版社: 新潮社
発行形態: 単行本
ページ数: 1088p




●感想●


土方歳三が、「本当にこうであったらいい」と思える土方歳三でした。
己の欲望 (黒い欲望ですが) に忠実でシンプルな人間。
頭がよく、軸がはっきりしている人間。

歳三の望みは殺す側であること。
そのために、時に無茶をしたり謀をめぐらしたりもします。
そこに人情はなく、善悪でいったらどうしても悪と判じざるを得ません。
まるでサイコパスです。
それなのに、魅せられてしまうのです。
いったいなぜなのか?
単純にカッコいいいから、と言ったらバカにされるでしょうけれど・・・
それが一番しっくりくる理由です。

私は会津出身なので、幕末の会津の歴史に触れる物語は読んでいて苦しいものがありました。
破滅に向かうお話ですから。
そういう意味では、歳三も死ぬとわかっている終盤はつらかった・・・
ただ、本領発揮して殺しまくったラストでは少し晴れ晴れしたかな。
なんてひどいことを言っていますね~

この小説には型があって、章の最後は 「土方歳三だ」 と名乗るシーンで締められます。
しかし最終章は 「ただのヒトごろしだ」 で終わるのです。
粋ですね~。
こういうところが京極夏彦先生のこだわりですね。
自分流を貫いている人は素敵! 
土方さんといい、正直、イケメンという要素もかなり大きいですね











●出来ぬことは、どれだけ力を尽くそうと出来ぬ。出来ぬと知らずに尽力するのは、愚か者である。出来ぬと知って猶それを続けるなら、それは痴れ者だ。
いずれも無駄なことである。
だからこそ知ることは大事だ。


●天から与えられた才などない。それは授かるものではなく築くものである。築く方法は人それぞれで、賢い者は効率良く才を成す。


●下が上を使うなら、主も従も無いようなものだよ。それに、身分なんてものは、思ってる程に固えものじゃあないよ。頭使って道筋さえつけりゃ、何にだってなれるだろうさ。貴賤も血筋もあまり関係ないのさ.。身分なんて所詮、役目だ。それよりも人はな、性質だ。性質と役目が合っていないと、使い道がない。使えない。役には立たぬよ。


●信念は思い込みに過ぎず理念は見方に因って変わる。情念などは瘧のようなものである。
人は、真理を知ることは出来るだろうが、真理に沿って生きることなど出来ぬものなのだ。確かなものなど何もない。朝と夕では何もかもが違っている。
違わぬと思い込める間抜けや、ひとつ処からしか世間を見られぬ阿呆や、熱に浮かされ続けるお調子者だけが、己を信ずる。信ずることが適う。
絶対に正しいことなどはない。凡ては刹那的に判断するよりない。


●勝ったとか負けたとか勝ち負けで世の中計る奴ァ、本気の本気で愚か者だぜ。勝負ごとってな遊びなんだよ、遊び。しかも賢くねえ遊びだぜ。そんなもん物差しにして天下を計られちゃどうにもならんだろう。俺はな、親父と同じで博奕は嫌えだ。博奕ってな、考えるまでもなく胴元が儲かる仕組みだぜ。


●「これからの戦はな、立ち合いもねえ。名乗りもしねえ。誰が誰を殺したのかも判らねえ。ただ大勢が一度に死ぬだけのもんだ。殺した方も人殺したって気持ちは持てねえ。大砲だの鉄砲だの撃ったってだけだ。それで皆死ぬ。たくさん死人が出たほうが負けだ。兵隊はただの将棋の駒だよ。武勲も武功もねえ。全部が全部、成ることのねえ歩だよ」


●世の中がどうなっていようと、どんな難問が山積していようとも、人は褒められれば機嫌が好くなるものなのだろう、歳三は一向に理解出来ぬが、持ち上げられれば嬉しいとか愉しいとか、そうした心持ちになるものなのだ。









●新撰組・会津で思い出したコレ。家にチラシがありました。
 土方さんも後に自分がこのような扱いになるとは思わなかったでしょうね。。。

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18 : 22 : 49 | ★★★京極夏彦★★★ | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
i  / 西 加奈子       ★★★★★
2018 / 06 / 28 ( Thu )
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●内容● (「BOOK」データベースより)

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまではー。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさー直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!


●著者● (「BOOK」データベースより)

西加奈子(ニシカナコ)
1977年、テヘラン生まれ。カイロ・大阪育ち。2004年、『あおい』でデビュー。07年に『通天閣』で織田作之助賞、13年に『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年に『サラバ!』で直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2016年11月30日頃
著者/編集: 西加奈子
出版社: ポプラ社
発行形態: 単行本
ページ数: 298p





●感想●


ところどころ、堪らず涙・・・
西加奈子さんの本には何度泣かされたことか

「この世界にアイは存在しません。」
お話の中で何度も出てくるキーフレーズです。
上手いなぁ、と思ったのはさまざまな意味を指すのアイという言葉の使い方。
存在しない数 ( i×ⅰ=-1 )だったり、 主人公のアイだったり( 英語の主語としてのⅠ、そして名前のアイ )、“愛”だったり・・・

「この世界にアイは、存在する。」
シーンによって指すものが違う“アイ”という言葉は、どんどん広い意味になっていき、
ラストでは主人公アイが、自分の存在と、世界には愛があることを認めます。
とてもきれいで清々しいラスト。
世界には目を背けたくなるような現実が溢れているけれど、一方で愛がある、と思えるラストでした。


世界に溢れている不幸に目を向けた時、社会の犠牲者に罪悪感を持つ感覚が複雑に描写されていましたが、これについても一つの答えが出されていました。
「渦中の人しか苦しみを語ってはいけないなんてことはないと思う。もちろん、興味本位や冷やかしで彼らの気持ちを踏みにじるべきではない。絶対に。でも、渦中にいなくても、その人達の事を思って苦しんでいいと思う。その苦しみが広がって、知らなかった誰かが想像する余地になるんだと思う。渦中の苦しみを。それがどういうことなのか、想像でしかないけれど、それに実際の力はないかもしれないけれど、想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。」

繊細過ぎるタイプは、時にいらぬ苦しみを自ら背負ったりしてしまうものですが・・・
私はそういう人が好きです。
基本自分視点で余計な事は考えず生きている人の方が幸せなのかもしれませんが、自分が幸せな分、人を疲弊させているパターンが多い気がします。

想像力は人に思いを寄せること。
しかし一方で、それを利用することがあってはならない、と思います。
嫌な言葉ですが、被害者ビジネス、被害者詐欺、宗教ビジネス等は卑劣な行為だと思います。
善意を持った人が利用されるのは我慢なりません。
脱線しましたが、強かに生きるゆえに人を利用するのはどこまで許されるのか、不幸だからという理由で悪事を働く事の正当化はどう捉えればいいのか、難しくて答えが出せないところだと思いました。



内容とは関係ないけれど、かぎかっこ(「」)内の文章の終わりに句点をつけるやり方が好きです。
そういう風に教わってずっとそう書いてきたので、やはり落ち着きます。





✿✿✿ 2017年9月17日にメモしておいた感想です ✿✿✿


  



●なんだって礼を言っておくに限った。相手が言うことが間違っていないということを示す必要があった。


●人が「どうでもいい」と言うときは、「どうでもよくない」ときだと、経験から知っていた。


●みんな避けたいのだ、逃れたいのだ、選ばれたくないのだ。あの日、東京を襲った震度5の揺れの最中、大きな家でアイは叫んだのだ。「助けて」と。そのことを、ずっと忘れていた。渦中になんていたくない。選ばれたくなんてない。









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18 : 51 : 20 | ★★★西加奈子★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
パレートの誤算 / 柚月 裕子          ★★★☆☆
2018 / 06 / 28 ( Thu )
パレートの誤算






●内容● (「BOOK」データベースより)

ケースワーカーはなぜ殺されたのか。優秀な先輩の素顔を追って、女性ワーカーが生活保護の闇を炙り出す!受給者、ケースワーカー、役人…それぞれの思惑が交錯する渾身の社会派サスペンス!


●著者● (「BOOK」データベースより)

柚月裕子(ユズキユウコ)
1968年岩手県生まれ。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞しデビュー。2012年『検事の本懐』で第25回山本周五郎賞にノミネート、2013年同作で第15回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2014年10月10日頃
著者/編集: 柚月裕子
出版社: 祥伝社
発行形態: 単行本
ページ数: 337p




●感想● 


生活保護の問題がいろいろ出てきましたけれど・・・
腹が立ちますねー生活保護の不正問題には。
不正受給はもちろん、それを食い物にする囲い屋等の貧困ビジネス等々ね。
それらは善意を利用する詐欺行為ですから当然ですよね。
同じように巧妙に善良な市民を騙している差別(被害者)ビジネス等、その類は全て嫌ですねー。
本当に必要な人には行き渡らず、狡猾なやり方で搾取する人が横行しているケースが少なくない現実が腹立たしいです。

・・・と憤ってしまいましたが
作者がどういう考えかはわかりませんが、何かしら思うところがあって題材に選んだのでしょうね。
日本人はおとなしく事なかれ主義ですが、自分達を脅かすことに関して、もっと声を上げてもいいのでは?と思います。
でもマスコミは今や信頼出来たもんではないし、“悪い人”をやっつけることは思いのほか困難です。
まさに「憎まれっ子世に憚る」
周りを見てもイヤな奴ほど強く生きてますわ

なーんて、本の感想そっちのけで不正に関しての鬱憤を放出してしまいました。
ストーリーはシンプルで文章も読みやすかったと思います。
人物描写がもっとされていたら、悲劇的なシーンで涙、となったのでしょうがその辺りはあっさりしていました~。








●貧困ビジネスとは、低所得者をターゲットにし、彼らの弱みに付け込んで自分たちが利を得るビジネスだ。低所得者には生保受給者も含まれている。低所得者を食い物にする側の1つに、暴力団がある。住居がない生保受給者に住む場所を用意してやる代わりに、受給者が手にする生活保護費から、毎月、大半の金を搾取していく。飢え死にしたくなければ、劣悪な生活環境に耐えながら、狡猾な相手に利用され続けるしかない。






●パレートの法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。






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18 : 31 : 17 | ★★★柚月裕子★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
生還者 / 下村 敦史          ★★★★★
2018 / 06 / 24 ( Sun )
生還者










●内容● (出版社より)

ヒマラヤ山脈東部、世界第3位の標高を誇るカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、日本人登山者7名が巻き込まれる惨事となった。4年前に登山をやめたはずの兄が、なぜかその雪崩に巻き込まれ、34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのかーー?

生存者は絶望視されていたが、高瀬という男性が奇跡の生還を果たす。単独行だった高瀬は、猛吹雪のなか兄たち登山隊に出会い助けを求めたが冷たくあしらわれ、登山隊の加賀谷だけが残って自分を助けてくれたという。行方不明の加賀谷が英雄としてマスコミを賑わせる中、今度は東という男が救助された。東は高瀬が嘘をついていて、加賀谷こそが卑怯者だと証言するのだった。

二人の生還者はどちらが真実を語っているのか? 兄の死の真相を突き止めるため、増田は女性記者の八木澤とともに高峰に隠された謎に挑む!


●内容情報● (「BOOK」データベースより)

雪崩で死亡した兄の遺品を整理するうち、増田直志はザイルに施された細工に気づく。死因は事故か、それともー。疑念を抱く中、兄の登山隊に関係する二人の男が生還を果たす。真相を確かめたい増田だったが、二人の証言は正反対のものだった!ヒマラヤを舞台にいくつもの謎が絡み合う傑作山岳ミステリー。


●著者● (「BOOK」データベースより)

下村敦史(シモムラアツシ)
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編3位と高い評価を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





●感想●

冒頭から引き込まれました。
登山中の雪崩事故の2人の生還者。
彼らの正反対の証言から、真相への探求心がどんどん膨らみ、退屈無しの読書でした。

個人的には登山に関しての知識はほぼ無し(読書で少し触れたくらい)。
でも、その世界を垣間見れた気がしました。
きっと作者が自然に理解できるような流れを作ってくれたのでしょう。
お話の1つのテーマでもあったと思いますが、登山では個人の力量はもちろん、信頼関係が大切なのですね。
単独登山だとしても助け助けられることになるかもしれない。
シェルパ等現地の人の力も借りるわけですから。
山は人間性、忍耐力、判断力・・・さまざまな人間としての力量が試される場なのですね。

読み終わって「生還者」というタイトルに納得。
生き残ったことによる罪悪感であるサバイバーズ・ギルトに苛まれる苦しみは生半可なものではないでしょうね。
真相からエピローグへの展開は霧が晴れた部分と苦い部分があり、その複雑さにリアリティがありました。
こういう本が好き。
面白い本に出会うと単純にうれしい。次への意欲がわく瞬間ですね。




★参考文献の紹介ページを見て、作者はこの本を書くにあたってものすごく勉強されたのだなー、と感じました。
小説家は書く前にハンパじゃなく読書をしている人達というのが私のイメージです。


★読み終わってから登山の事をなんとなく検索してみたら・・・
一番印象に残ったのはシェルパのことでした。
凄い人達! 彼らの力無しでは登山は成り立たないのですね。








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生還者 (講談社文庫) [ 下村 敦史 ]
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10 : 02 : 27 | ★★★下村敦史★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
さよなら神様 / 麻耶 雄嵩          ★★☆☆☆
2018 / 06 / 24 ( Sun )
さよなら神様










●内容● (「BOOK」データベースより)

「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。


●目次● (「BOOK」データベースより)

少年探偵団と神様/アリバイくずし/ダムからの遠い道/バレンタイン昔語り/比土との対決/さよなら、神様


●著者● (「BOOK」データベースより)

麻耶雄嵩(マヤユタカ)
1969年、三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。京都大学工学部卒業。在学中に推理小説研究会に所属。1991年に島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎各氏の推薦を受け、『翼ある闇ーメルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年には『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2015年に『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





●感想●    


この本、小学生が主人公&主な登場人物なわけですが・・・
語彙が豊富過ぎるだろう、精神年齢が高過ぎるだろう、と思いながら読みました。
小学生の物語と見せかけて、実は精神が病んだ大人の話だったとか、何かのトリックがあるかと疑ってしまったくらいです。
まあ、その方が読みやすかったからいいんですけれどね。
だからその点は批判しません。
ただ、私にとっては面白いお話ではなかった、というのが本音。
身近で人が死に過ぎでしょー。
神様の存在に説得力ないしー。
まあね、そこは設定として楽しんで、難しく言わないお約束であるとは思うのですが・・・
あり得ない設定も全否定ではないはずなのに、微妙なバランスの違いで許容量が変わるんだな~。
一言で言えばキャパが小さいということですが
なんだかんだ言っても自分はリアリティーがあるストーリーの方が断然好きなんだ、と再認識しました。

実は敗因がもう一つ。
前作があるとは知らずに読んだのです。
なので理解不足は否めません。
でも、今は前作を読む気にはなれないな。
表現はおもしろかったから、気が変わって読む日が来るかもしれませんけれどね~





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08 : 02 : 53 | ★★★麻耶雄嵩★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ゴールデン・ブラッド / 内藤 了          ★★★☆☆
2018 / 06 / 17 ( Sun )
ゴールデン・ブラッド










●内容● (出版社より)

東京五輪プレマラソンで、自爆テロが発生。現場では新開発の人工血液が輸血に使われ、消防士の向井圭吾も多くの人命を救った。しかし同日、人工血液が開発された病院で圭吾の妹が急死する。医師らの説明に納得いかず死の真相を追い始めた矢先、輸血された患者たちも圭吾の前で次々と変死していくーー。胸に迫る、慟哭必至の医療ミステリ。


●内容● (「BOOK」データベースより)

東京五輪プレマラソンで、自爆テロが発生。現場では新開発の人工血液が輸血に使われ、消防士の向井圭吾も多くの人命を救った。しかし同日、人工血液が開発された病院で圭吾の妹が急死する。医師らの説明に納得いかず死の真相を追い始めた矢先、輸血された患者たちも圭吾の前で次々と変死していくーー。胸に迫る、慟哭必至の医療ミステリ。


●基本情報●

発売日: 2017年10月06日
著者/編集: 内藤了
出版社: 幻冬舎
発行形態: 文庫
ページ数: 344p





●感想●

東京オリンピックを控えている今、テロの場面に現実感を感じました。
恐ろしいシーンなので、苦手な人は弱ってしまうかも。

ストーリーは・・・全体的に先が読めてしまった感がありました。
いつもは鈍感なのですが、このお話はシンプルだったからかな~すみません。

でも、ゴールデン・ブラッドについては無知だったので、その点興味深く読みました。
ゴールデン・ブラッドって本当にあるの?と思ったので読後調べてみたら、現実に存在するのですね。
Rhの抗原が無いため、どんな血液型に輸血しても拒否反応が起こらない「 Rh null 」型のことを差しているそうですが・・・
保有者は世界にたった43人だそうです。
どんな人にも輸血できる反面、輸血を受けることはほぼ不可能だそうで・・・
いろいろ想像すると大変だな、と思いました。

ところで、主人公が正義感が強いイケメンというだけで、その分の印象がアップするのは何故なのでしょう。
ストーリーとは別に、キャラクターによって本への評価が若干変わるのか?と気付いた時に・・・
自分の人間の浅さに気付かされましたよ~。
特にイケメン好きというわけではないはずなのにな。








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10 : 09 : 54 | ★★★内藤了★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
にんげんぎらい / 大西 智子          ★★★★★
2018 / 05 / 19 ( Sat )
にんげんぎらい










●内容● (「BOOK」データベースより)

来る日も来る日も、工場のラインで鉄板を曲げ続けるまり江。どうでもいい話題で盛り上がるパート達にも、煩わしい関係のママ友にも、怒りにも似た苛立ちを感じていた。そんなまり江の唯一の宝物は5歳の娘・咲季だけだ。この子を産んだことだけが、くだらない自分の人生の、たったひとつの功績に思える。夫は数ヵ月前、家を出て行った。理由はわからない。まり江は、咲季を寝かしつけた後、発泡酒を片手にアダルトサイトを閲覧する。自慰行為に耽る自分が、リビングの片隅に設置されたウェブカメラに映るように。この映像を、夫がどこかから見ているかもしれないと思いながらー。生々しい描写力で迫りくる、ひとりの主婦の膿んで爛れた日々。


●著者● (「BOOK」データベースより)

大西智子(オオニシトモコ)
1979年大阪府生まれ。京都光華女子大学卒業。2008年に「ベースボール・トレーニング」で第26回大阪女性文芸賞を受賞。2014年に「カプセルフィッシュ」が第8回小説宝石新人賞・優秀作に選ばれる。2015年、『カプセルフィッシュ』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


●基本情報●

発売日: 2018年03月14日
著者/編集: 大西智子
出版社: 光文社
発行形態: 単行本
ページ数: 220p





●感想●


「にんげんぎらい」
インパクトのあるタイトルと表紙ですが・・・
予想より清々しい読後感で、良い裏切りでした。

人間嫌いともいえるコミュ障の主婦、まり江の鬱々とした日常を追っていたはずが、
保育園の親子遠足の場面辺りからラストまでは一気読み!
パート同僚の小川さんのお見舞いシーンでは泣かされました。
人の心をほぐすのは優しさなのだな、愛なのだな・・・
何の捻りもなく、ありきたりな言葉ですが素直にそう思えました。
そしてまり江が開眼するラスト、未来に微かな期待を持てる流れにほっとしたのでした。

私が思うに、大抵の人は、人間関係を面倒に思ったことがあるという気がします。
けれど、そういう時ほど人の温かさに焦がれているのではないでしょうか。
ホンモノの“にんげんぎらい”だったら孤立はむしろ望む所。
(たまにそういうタイプはいます)
でも、コミュ障でありながら、心の底で人とのつながりを求めている人が苦しむのでしょう。
それに自分で気付くことができたら、欲しいのものに手が伸ばせるのかもしれません。
まり江のように。








●女同士の付き合いが難しいことは、学生時代を通して重々学んでいる。
うまく機能しているときはいいが、必ず誰かが不平を言いだす。派閥や力関係が軋轢を生む。互いに牽制し、腹を探り、陰口を叩き、しまいにはみにくい揉め事に発展する。


●同じ人物のことを、あるときはよく言ったり悪く言ったり、人のこういう心の揺らぎが、たびたびまり江を惑わせる。他人がわからなくなり、空恐ろしくなる瞬間だ。他人の心の微妙な変化をうまく掬い取れないから、コミュ障がなどと言われてしまうのだろう。


とーってもよくわかります。
私もそういうのに混乱するタイプです。


●命とか、そういうもんはままならんもんやな。やり直しはきかん。
…………翻せば、命以外のことは、やり直しがきくということだろうか。壊れても、また元に戻せるのだろうか。


強いのは失敗を乗り越えられる人ですね。
失敗しない人ではなく。
図太い人は実は好きではありませんが、図太く生きるのが幸せへの道なのかも。
 








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09 : 33 : 27 | ★★★大西智子★★★ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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